2001 Fiscal Year Annual Research Report
メソ細孔内担持ナノ構造カーバイド触媒の生成に関する研究
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12740311
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
一國 伸之 千葉大学, 工学部, 助手 (40261937)
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Keywords | カーバイド触媒 / メソ細孔シリカ / EXAFS / 透過型電子顕微鏡 / ラマンスペクトル / 表面炭素種 |
Research Abstract |
本研究は,近年注目を集めているメソポーラスシリカであるMCM-41,SBA-3などの規則的ハニカム細孔に着目し,これを担体として新規なカーバイド触媒の設計を試みたものである.すなわち細孔内部に前遷移金属カーバイド種を構築し,キャラクタリゼーション・触媒作用について検討するというものである. 調製したMCM-41を担体とし五塩化ニオブより担持Nb触媒を調製した.この触媒をメタン・水素混合気流中,1273Kまで比例昇温させることで,担持型のNbC種へと転換した.XRDとTEMによるキャラクタリゼーションの結果,1273Kという高温処理を施してもMCM-41のハニカム構造を保持させることができた.EXAFSにより解析を行ったところ,NbCの粒径は2nm程度であることがわかった.細孔構造を持たないシリカにNbC種を調整すると粒径は3nmを超えることから,NbC種はメソ細孔内に高分散していることが示唆される.NbC種のさらなる高分散化を意図し,メソポーラス細孔壁内にNbを組み込み(Nb-SBA-3),これをカーバイド種へと転換したところ,同様に細孔構造を保持したまま高分散NbC種が調製できた. このようにして得られた触媒上でプロピルアミンからのアンモニア生成反応を行ったところ,メソ細孔内担持カーバイド触媒は通常のシリカに担持した触媒と比べるとNbあたりで2倍近い活性を示したが,空気中に露出した際に酸化を受けやすかった.一般に表面が酸化されてしまうと低活性となるため,再炭化処理が前処理として必要となってしまう.そこで,カーバイド化処理を強く行い炭素種を過剰に析出させたところ,表面酸化は見られず,高温還元処理を施すことで高活性を示すようになった.前処理前後のラマン解析から,表面炭素種がカーバイド種の酸化を防いだことがわかった. メソ細孔を利用することで高分散担持種が調製できた.また,表面炭素種を詳細に解析することで除去しやすい炭素種に関する知見を得,これを制御して析出させることが有効であることを見いだした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Ichikuni, F.Sato, S.Shimazu, T.Uematsu: "Structure and growth process of niobium carbide on silica"Studies in Surface Science and Catalysis. 132. 781-784 (2001)
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[Publications] N.Ichikuni, F.Sato, S.Shimazu, T.Uematsu: "XAFS Analysis for Niobium Carbide Particle Growth on Silica Support During Preparation Process"Topics in Catalysis. 18. 101-104 (2002)