2000 Fiscal Year Annual Research Report
光励起型高速スイッチングを用いたフーリエ変換ミリ波・サブミリ波分光装置の開発
Project/Area Number |
12740315
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
溝口 麻雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究系, 助手 (20322092)
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Keywords | 光励起型高速スイッチング / フーリエ変換ミリ波・サブミリ波分光装置 |
Research Abstract |
今年度はフーリエ変換ミリ波・サブミリ波分光装置の製作に必要な、ハードウェア及びソフトウェア面での製作、及び開発する分光器の土台となる現在の直接吸収型分光装置の改良に着手した。 半導体基板の反射率・透過率を制御するレーザー光とのタイミングをとるパルス制御系装置を製作し、このパルス制御装置からのパルスをトリガとしてシステムが機能するように全体のプログラムを再構成した。レーザー光を真空槽に導入するポートの作成、及び共振器長の外部制御機能を兼ね備えた共振器光学台の製作を行なった。波長掃引にともなう共振器長の自動制御は、実際的な分光器の使用に際しての実験効率を著しく上昇させる上で重要であり、ロックインアンプをプログラム的に共振器長処理系と信号取り込み系を分割することで実現きれた。 また、現在の分光装置の改良として、サブミリ波を真空槽に導入する際に用いた、放物面ミラーの表面精度による散乱現象が観測された。より高い面精度を持つ光学系を採用することで、入射光の損失(50%)をなくすことに成功した。この改良はフーリエ変換マイクロ波分光器において入射マイクロ波パルスがπl2パルスの条件を満たしているときに最も強い自由誘導減衰信号を得られることに関連しており、パルス光を損失なく分子に伝えることが感度面での重要な意味を持つ。また、実験的に決定することが困難である遷移双極子モーメントの見積りを与えるという物理的な意味においても非常に重要である。
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