2001 Fiscal Year Annual Research Report
経路積分セントロイド分子動力学計算による液体水素の集団的ダイナミクス現象の解明
Project/Area Number |
12740321
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
衣川 健一 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50254446)
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Keywords | 経路積分 / セントロイド / 分子動力学 / 液体水素 / ダイナミクス |
Research Abstract |
本年度は以下の成果が出た。 研究代表者は液体パラ水素に対して定温・定圧のCMD計算を行ってきたが、今年度は液体オルト重水素のAndersen-Nose-Hoover-chain型の定温・定圧のCMD計算を行い、その集団励起・集団運動を調べた。速度自己相関関数の量子パワースペクトルと時空相関関数(動的構造因子)を計算し、系の集団励起モードの分散や減衰挙動を調べた。さらに非干渉性中間散乱関数を計算し、それら種々の関数の特徴が古典極限でのMDの結果、あるいは昨年度までに行ってきた液体パラ水素の結果に比べてどのように異なるかを検討した。その結果、液体オルト重水素の集団励起は液体パラ水素に比べて減衰が強く、より古典極限での状況に近いことがわかった。重水素の質量が系水素より大きいことによるこの集団励起の差異は、液体水素における同位体効果・量子効果を表している。 また、本年度は液体パラ水素と液体オルト重水素に対して、CMD計算で得られたセントロイドトラジェクトリーを基に、Green-Kubo公式のセントロイド近似を仮定した上で各種の輸送係数(熱伝導率、ずり粘性係数、体積粘性係数)の計算を行った。その結果、古典極限では実験値とオーダー自体もかなり違っていたが、CMD計算では劇的に正確さが上がることがわかった。 さらに、量子液体への計算科学の応用の可能性を広げる研究として、CMDのボーズ・フェルミ統計への拡張について置換の効果を記述する擬ポテンシヤルの形式について検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kinugawa, H.Nagao, K.Ohta: "A senriclassical approach to the dynamics of many-body Bose/Fermi systems by the path integral centroid nislecular dynamics"Journal of Chemical Physics. 114(4). 1454-1466 (2001)
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[Publications] K.Kinugawa, N.Nagao, K.Ohta: "A path integral centroid molecular dynamics method for Bose and Fermi statistics"Journal of Molecular Liguids. special Issue 90(1-3). 11-20 (2001)
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[Publications] H.Nagao, K.Kinugawa, M.Shigeta, K.Ohta, K.Yamaguchi: "Quantum spin dynamics in solution : effects of external magnetic field"Journal of Molecular Liguids. special Issue 90(1-3). 63-68 (2001)