2000 Fiscal Year Annual Research Report
可視赤外和周波発生分光装置の可視光波長可変化と電子共鳴表面和周波発生への応用
Project/Area Number |
12740333
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 孝章 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (70232337)
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Keywords | 表面和周波発生 / マルチプレックスSFG / ブロードバンド赤外レーザー / 自己組織化膜 / アルカンチオール / 倍波発生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、可視光波長可変性を備えた高感度なマルチチャンネル化したSFG(マルチプレックスSFG)分光装置を開発することである。平成12年度は、フェムト秒の再生増幅器の基本波(800nm、時間幅約120フェムト秒)からピコ秒のナローバンドの倍波(400nm)を発生する部分および分光光度計部分を作製し、波長固定(400nm)ではあるがマルチチャンネル化したSFG分光システムを作製した。 ブロードバンド赤外レーザーは、フェムト秒の基本波によって光パラメトリック発生/増幅を行い、発生したシグナル光とアイドラー光の差周波を更に発生させることによって得た。得られた赤外光の波数幅は、波数3000cm^1において半値全幅で250cm^<-1>以上であった。フェムト秒レーザーよりナローバンド可視レーザーを得る方法として、フェムト秒のレーザー光を二つにわけ逆方向にチャープさせたのちに倍波発生を行うことにより波数幅の狭いピコ秒の倍波出力を高効率で得る手法を、採用した。この方法により、120フェムト秒、1.8mJ、800nm、波数幅240cm^<-1>の基本波から、5.3ピコ秒、0.5mJ、400nm、波数幅11cm^<-1>の倍波を得た。このようにして得た倍波は高出力であるため、非線形光学的手法によって波長可変化が可能だと予想している。 SFG分光の標準試料である金属膜上のアルカンチオール自己組織化膜を対象に測定をおこない、作製した分光システムの性能を評価した。その結果、従来のシングルチャンネル法による既報のスペクトルと同等なSNのスペクトルを、マルチチャンネル法ではl/6の測定時間1分で得ることができた。このことは、マルチチャンネル法の優位性を示している。
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