2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740367
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
北澤 孝史 東邦大学, 理学部, 助教授 (60246767)
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Keywords | ミネラロミメティク化学 / ホスト / ゲスト / 包接体 / 結晶構造 / 熱分析 / メスバウアー分光 / 希土類 |
Research Abstract |
シアノ金属錯体ミネラロミメティク構造とゲスト分子との関係を検討し、有機ゲスト分子を系統的に用いて、シアン化カドミウムおよびポリシアノポリカドミウム酸をホストとするミネラロミメティク多次元構造を持つ新規包接体の構造機能制御への検討を行なった.さらに,放射化学的プローブとなる元素をホストに含む系については,メスバウアー分光を用いて検討した.まず、四面体ユニットとして[Cd(CN)_4]^<2->の連結様式の制御方法について検討を行った.ゲスト有機分子の形および大きさからホスト構造を制御する目的で,2-ヘプタノン,3-ヘプタノン,4-ヘプタノンをゲストと用いることにより新規ミネラロミメティック包接体の合成に成功した.これらの新規包接体については熱分析装置を用いて特性評価を行なった.それと同時に、単結晶X線構造解析測定を行った.2-ヘプタノン包接体,3-ヘプタノン包接体のホスト構造は基本的にトリジマイト類似構造であることが明らかになった.また,密度測定および熱重量分析より包接されている有機分子は水分子と共包接され,包接されているゲスト数は分布しており,Cd(CN)_2x(ヘプタノン)yH_2O(x=0.5-0.6,y=0-1.6)となっていることが明らかになった.さらに,熱分析データにより,その反応機構を明らかにする目的でドイル小沢法による解析を行ったところ,2-ヘプタノン包接体,3-ヘプタノン包接体では脱ゲスト反応の活性化エネルギーは,ほぼ同じであることが明らかになった.このことは,脱ゲスト反応時のホスト構造の変化が律則段階になっていることを示唆している.また,鉄元素および希土類元素をホストに含む系については,メスバウアー分光測定より,それぞれ特徴的な磁気化学的特性を示す可能性が示唆された.
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