2000 Fiscal Year Annual Research Report
二光子吸収により誘起される光化学反応を利用した液晶相構造の光制御
Project/Area Number |
12740377
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堤 治 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (00313370)
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Keywords | 二光子吸収 / アゾベンゼン / 光異性化 / 液晶 / エネルギー移動 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
二光子吸収により光化学反応を誘起して液晶の相構造制御を行うため,本年度は二光子吸収により光異性化するアゾベンゼンを開発し,光異性化挙動を検討した。アゾベンゼンの光化学反応を二光子吸収によって誘起するため,二光子吸収性を示す化合物をアンテナ部位としてアゾベンゼンに導入した。本研究では,二光子吸収が効率よく起こることが報告されているローダミンBをアンテナ分子として用いた。ローダミンBを導入したアゾベンゼンのcis体に,ローダミンの吸収極大である550nmの光を照射すると,スペクトルはほぼ完全にtrans体のスペクトルに変化した。一方,ローダミン部位を有しないアゾベンゼンを用いると,trans体,cis体のどちらも550nmには吸収を示さず,550nmの光を1時間以上照射してもスペクトル変化は観察されなかった。以上の結果から,550nmの光照射によりローダミンを励起することで,この波長に吸収のないアゾベンゼンのcis-trans光異性化が誘起されることが明らかになった。これは,ローダミンがアンテナ部位として機能しており,ローダミンを励起するとその励起エネルギーがcis-アゾベンゼンに移動しcis-trans光異性化が誘起されることを示唆している。蛍光スペクトルを測定した結果,アゾベンゼンがtrans体のときはローダミンの蛍光はほとんど消光されないが,cis体へ異性化すると効率よく消光されることがわかり,ローダミンの励起状態からcisアゾベンゼンへエネルギー移動が起こることが支持された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ikeda: "Optical Switching and Image Storage by Means of Photochromic Liquid Crystals"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 347. 1-13 (2000)
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[Publications] O.Tsutsumi: "Photoinduced Alignment Behavior of Polymer Liquid Crystals Containing Azobenzene Moieties in the Side Chain"Proceeding of SPIE. 4107. 1-8 (2000)
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[Publications] O.Tsutsumi: "Rapid Photochemical Control of Phase Structure of Polymer Liquid Crystals with Hydroxyazobenzene…"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. (in press).
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[Publications] 堤治: "次世代液晶ディスプレイ"共立出版(株). 169 (2000)