2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740388
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
高原 周一 岡山理科大学, 理学部, 講師 (20289135)
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Keywords | 制限空間 / アルコール / ダイナミクス / 誘電率 / 中性子散乱 / MCM-41 |
Research Abstract |
1.誘電率測定装置作製:10^1-10^6Hzの周波数範囲,10-350Kの温度範囲で複素誘電率を測定できる装置を新たに作製した.誘電率測定用のインピーダンスブリッジとしては安藤電気製のTR-10Cを使用する.冷媒としては液体ヘリウムを使用する. 2.誘電率測定:MCM-41メソ孔に毛管凝縮させたメタノールの誘電率測定を行った.測定された誘電スペクトルはメソ孔表面付近およびメソ孔中心部のアルコール分子からの寄与に分離でき,それぞれの回転緩和時間が決定された.その結果,以下のことがわかった. (1)孔の径が小さくなるに従い分子運動が抑制される. (2)メソ孔表面付近の分子とメソ孔中心部の分子を比較すると,前者の方が運動が抑制される. (3)過去に行ったMCM-41メソ孔に毛管凝縮させたエタノールの測定結果と比較すると,高温ではメタノールの方が,低温ではエタノールの方がそれぞれ動きやすいという結果になった.これはメタノールの方が低温でより構造化(水素結合の発達など)することを示唆している. 3.中性子散乱測定:MCM-41メソ孔に毛管凝縮させたメタノールについて日本原子力研究所のtof型分光器AGNESを使用し中性子散乱測定を行い,メタノール分子のダイナミクスを調べた.その結果,バルクに比べメソ孔中のメタノール分子は運動が抑制されることがわかった.スペクトルの半値幅に顕著な散乱角依存性が見られなかったため,中性子散乱で観測された運動はメタノール分子の回転運動だと考えられる.
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Research Products
(1 results)