2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期に依存した細胞壁構築関連物質の輸送経路と方向性の変動
Project/Area Number |
12740432
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90302083)
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Keywords | 細胞壁 / エンド型キシログルカン転移酵素 / 細胞分裂 / 細胞板 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
細胞壁構築に関わる分泌酵素の一つであるエンド型キシログルカン転移酵素(EXGT)の細胞周期における動態を、タバコ培養細胞を用いて解析した。本酵素は細胞伸長を伴う間期には細胞外へ分泌されるが、分裂期に入ると細胞外への分泌は抑制され、さらに分裂終期には新たに細胞壁が構築される細胞板へと積極的に輸送されていた。本研究によって、EXGTが細胞周期に依存する輸送方向の切換えによって、細胞壁構築から細胞伸長時の細胞壁再編まで機能していることを初めて明らかにした(Yokoyama and Nishitani 2001, Plant and Cell Physiol 42, 292-300)。さらに形質転換植物体を用いた解析により、植物体においてもEXGTは細胞伸長時には細胞外へ分泌され、分裂期には細胞板へと輸送されていることが明らかになった。またEXGTタンパク質は複数の遺伝子によってコードされ、植物体において,このうち幾つかのEXGT遺伝子は細胞伸長あるいは分裂時のみ発現している可能性が示唆された。このような遺伝子の発現制御と蛋白質の文泌方向の変動が、結果として各EXGTの局在を制御している可能性を調べるため、シロイヌナズナの全てのEXGT遺伝子をゲノムのデータベースより同定し、それらの全ての遺伝子の発現パターンを解析した。この結果、細胞周期に依存した輸送方向の変化と遺伝子発現制御によって、細胞外あるいは細胞板のみに局在するEXGTの存在が示された。またこの研究から、EXGTの遺伝子発現は、植物の発生分化過程において、さらに複雑に制御されていることが明らかになった(Yokoyama and Nishitani 2001, Plant and Cell Physiol 42,1025-1033)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ryusuke Yokoyama: "Endoxyloglucan Transferase is localized both in Cell Plate and Secretory Pathway Destined for the Apoplast in Tobacco Cells"Plant and Cell Physiology. 42(3). 292-300 (2001)
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[Publications] Ryusuke Yokoyama: "A Comprehensive Expression Analysis of all Members of a Gene Family Encoding Cell-Wall Enzymes Allowed us to Predict cis-Regulatory regions Involved in Cell-Wall Construction in Specific Organs of Arabidopsis"Plant and Cell Physiology. 42(10). 1025-1033 (2001)
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[Publications] Gyung-Tae Kim: "The ANGUSTIFOLIA gene of Arabidopsis, a plant CtBP gene, regulates leaf-cell expansion,the arrangement of cortical microtubules in leaf cells and expression of a gene involved in cell-wall formation"The EMBO Journal. 21(6)(In press). (2002)