2000 Fiscal Year Annual Research Report
圧電場を用いたニアフィールド顕微鏡(複素誘電率顕微鏡)の研究
Project/Area Number |
12750026
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 淳 静岡大学, 工学部, 助手 (10293606)
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Keywords | 圧電結晶 / 圧電場 / 圧電ポテンシャル / 弾性表面波 / 複素誘電率 / 密度と粘度の分離 |
Research Abstract |
本研究は,圧電効果によって生じる圧電場を利用し,圧電結晶表面近傍の媒質を調べる顕微鏡の開発である.具体的には,弾性表面波(以下SH-SAW)伝搬に伴って発生する圧電ポテンシャルをプローブとし,伝搬面表面と接する媒質(特に液体)の情報を検出すること目的としている.本年度は,ベクトル電圧計を購入し計測を行う計画であった.しかし,予算的に購入が困難であったため,ディジタルオシロスコープを購入し,計測系の自作を試みた.また,SH-SAWセンサを液体フロー系に接続し,波形応答波形から液体中に含まれるイオン種の推定を試みた.なお,推定には人工ニューラルネットワーク(ANN)を利用した. SAW発振器を信号源(Asinωt)とする.この信号がセンサ部で変化し,Bsin(ωt-α)になったとする.Bとαを検出する方法として,センサ出力に入力信号および位相を90度ずらした信号(Asinωt,Acosωt)を掛ける.ローパスフィルタを利用することにより,0.5ABcos(α)と0.5ABsin(α)が得られる.これらはDC成分なので,AD変換により容易にPCに取りこむことが可能である.位相が90度正確にずれた信号を生成する回路(50MHz帯用)を設計・製作を行っている. 液体フロー系の過渡応答波形からイオン種を推定するため,これまではパターンマッチングを行ってきた.しかし,アルゴリズムが複雑となり自動化に適さない.そこで,ANNを利用した.また,過渡応答波形の立上りと立下り間の時間差を利用することにより,流路長など測定系に依存せずに識別可能となった. センサ表面は平坦な方が好ましい.これは本研究にも当てはまる.もし表面が凹凸ならばどうなるのだろうか.表面に溝を設けたセンサで液体を計測した.その結果,圧電場とともに伝搬するひずみの摂動により,密度と粘度の分離検出が可能であることが判明した.これは新しい物理現象として,物性検出に利用できる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Kondoh et al.: "Estimation of Components and Concentration in Mixture Solutions of Electrolytes Using a Liquid Flow System with SH-SAW Sensor"Sensors and Actuators A. 83. 34-39 (2000)
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[Publications] J.Kondoh et al.: "Simultaneous detection of density and viscosity using surfase acoustic wave liquid-phase sensors"Jpn.J.Appl.Phys.. (in press). (2001)
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[Publications] J.Kondoh et al.: "Development of Surface Acoustic Wave Liquid Sensing System and Application For Japanese Tee Measurements"IEEE Frequency Symposium. (講演決定). (2001)
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[Publications] 近藤淳 他: "すべり弾性表面波センサを用いた密度と粘度の分離計測"電子情報通信学会超音波研究会資料. US2000-67. 1-6 (2000)
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[Publications] 近藤淳 他: "SAW発振回路搭載型SAWセンサシステムの開発"弾性波素子技術第150委員会第71回研究会資料. 89-94 (2000)
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[Publications] 近藤淳 他: "ニューラルネットワークによるSH-SAWセンサ過渡応答波形を用いたイオン溶液の識別"日本音響学会春季研究発表会資料. 1037-1038 (2001)