2000 Fiscal Year Annual Research Report
ピルボックス光変調器における振幅増大変調によるパルス生成
Project/Area Number |
12750041
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
豊田 啓孝 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20311798)
|
Keywords | ピルボックス光変調器 / 振幅増大変調 / 光パルス生成 / レーザビーム直接描画装置 / 光集積回路 / ピロリン酸プロトン交換LiNbO_3 / 円盤形共振器 / 伝搬損失 |
Research Abstract |
円盤形共振器構造を持つピルボックス光変調器に対して共振波長のCW光を入射した場合、1GHz付近の変調周波数で入力光の振幅を越える波高値の出力パルスが発生する。この現象を我々は振幅増大変調と呼んでいる。 この現象を実験的に検証するのが本研究の目的である。これには高精度のパターニング技術が必要であるため、まず研究室所有のレーザビーム直接描画装置をサブミクロンの線幅で描画ができるように改良した。レーザビーム直接描画装置は同じ形状のパターニングを繰り返し実行するには適当な方法ではないが、様々な形状のパターニングを行なったり、形状の変更を即座に反映したりできるという特長を持つため、今回のような試作段階では適した方法といえる。干渉を利用したレーザ光(442nm)の微細集光に今回成功し、サブミクロンの集光スポット径を得た。この方法では低倍の集光レンズを用いるため、サブミクロンの集光スポットでありながら焦点深度を10μm以上に大きくすることができ、その結果ビーム走査における径の大きさの変動を小さく抑えることに成功した。これは描画パターンの線幅の変動がサブミクロンのオーダで生じないことを示している。 次に、パターニングプロセスの改善を行なった。LiNbO_3基板を対象にしたピロリン酸プロトン交換による高屈折率層形成時の0.8μm幅Taマスク形成では、SEM観察では判別できない程度にフォトレジストパターンを転写することに成功した。すなわち、レーザビームで走査したとおりにTaマスクが形成できた。 一方解析では、伝搬損失を考慮した特性計算を行なった。その結果、伝搬損失を考慮した場合はパワー移行率を大きくすることで損失の影響を抑えることができ、パルス発生の観測が可能であることを示した。 これらの成果を踏まえ、実際のデバイス作製は来年度行なう予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 榮川雅昭,西田泰士,豊田啓孝,和田修己、古賀隆治: "白色レーザを光源としたレーザビーム直接描画装置の構築"平成12年度電気・情報関連学会中国支部第51回連合大会講演予稿集. 285-286 (2000)
-
[Publications] 豊田啓孝,和田修己,古賀隆治: "ピルボックス型光変調器におけるパルス生成解析"電子情報通信学会技術研究報告. 100・590. 1-6 (2000)