2000 Fiscal Year Annual Research Report
き裂を有する圧電複合材料の電気弾性力学に関する理論的研究
Project/Area Number |
12750064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成田 史生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10312604)
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Keywords | 電気破壊力学 / 数理解析 / 圧電複合材料 / 応力拡大係数 / エネルギー解放率 / エネルギー密度 / 電気弾性相互干渉 / 電子・電気機械デバイス |
Research Abstract |
本研究は,圧電複合材料の電気破壊強度・機能設計に資することを目的に,き裂を有する圧電複合材料の電気弾性解析を行ったものである.本年度は,き裂の電気弾性解析モデルとして界面近傍の内部き裂,界面き裂等を設定し,圧電複合材料の電気破壊力学解析を行い,応力拡大係数・エネルギー解放率・エネルギー密度等の電気破壊力学パラメータに及ぼす分極・電場及び負荷(引張り・せん断)の影響を解明した.得られた成果を要約すると以下の通りである。 1.き裂を有する圧電積層材料の平面ひずみ電気弾性解析を行い,電気破壊力学パラメータに及ぼす電場の影響を検討中である. 2.(a)圧電介在物の電気破壊力学解析を行うため,円形圧電介在物を有する圧電セラミックスの面外せん断波散乱問題を理論解析し,動的応力・電場集中に及ぼす圧電特性及び電場の影響を明らかにした. (b)円形圧電介在物が弾性母材に接合されている圧電繊維複合材料を対象に,1個の界面き裂による面外せん断波散乱問題を理論解析し,電気破壊動力学的挙動を解明した.また,円振動数に対する散乱断面積・動的応力拡大係数・動的エネルギー解放率を数値計算し,界面剥離・圧電特性の影響を考察した. (c)圧電繊維複合材料に存在する2個の界面き裂による面外せん断波散乱挙動を理論解析し,詳細な検討を加えた. (d)圧電繊維複合材料の電気破壊力学的挙動解明を目指し,円板状き裂を有する圧電円柱の電気弾性挙動について検討中である. (e)上記電気破壊力学解析結果を踏まえ,圧電繊維複合材料の電気破壊評価に関する基礎的研究を進めている. 3.分極方向が異なる2つの圧電セラミックスからなる界面き裂を有する圧電積層材料の電気弾性解析を行い,き裂先端近傍における電気弾性場の特異挙動に注目して検討中である.また,き裂を有する圧電複合材料の混合モード電気弾性挙動解明を目指し,検討を進めている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] F.Narita: "Circular inclusion problem in dynamic antiplane piezoelectricity"Proceedings of SPIE,Vol.4235. (in press).
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[Publications] 進藤裕英: "部分的に剥離した円形圧電介在物による面外せん断波散乱"第50回理論応用力学講演会講演論文集. 239-240 (2000)
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[Publications] 南田敬一: "2個の界面き裂を有する圧電繊維複合材料の面外せん断波散乱"日本機械学会2001年 年次大会講演論文集. (発表予定).