2000 Fiscal Year Annual Research Report
非鉛系はんだの多軸応力下におけるクリープ疲労寿命評価法の開発
Project/Area Number |
12750079
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
山本 隆栄 大分大学, 工学部, 助手 (20295166)
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Keywords | 非鉛系はんだ / 引張・圧縮応力下 / 低サイクル疲労 / クリープ疲労 / 非対称波形 |
Research Abstract |
今年度は鉛系はんだに代わる非鉛系はんだとして有望視されているSn-3.5Agはんだを用いて引張・圧縮の応力下でクリープ疲労試験を実施した.試験に用いた試験片形状は中実円柱試験片で,試験温度は313K一定である.また,制御方法はひずみ制御で,ひずみ波形はfast-fast波(pp),slow-fast波(cp),fast-slow波(pc)およびslow-slow波(cc)の4種類を用いた.なお,ひずみ速度は高速側を0.5%/sec,低速側を0.005%/secとした. 本研究では,現在主に使用されているSn-37Pbを用いて行った同試験結果との比較,さらにSn-Pb系のはんだのSn37Pb,Sn60PbおよびPb5Sn1.5Ag,非鉛系はんだのSn8.5SbおよびSn7.5Bi2Ag0.5Cuの5種類のはんだの低サイクル疲労試験の結果との比較を行い,以下の結果を得た. 1.全ひずみ範囲によるSn3.5Agのクリープ疲労寿命の整理ではSn37Pbの場合と同様に,pp波が最も長寿命で,ついでcc波,pc波となり,cp波が最も短寿命であった. 2.Sn3.5Agのクリープ疲労寿命はいずれの波形もSn37Pbよりも長寿命であった. 3.pp波に対するcp波およびpc波の寿命低下率は,Sn37Pbではcp波がおよそ1/40,pc波が1/25であるのに対して,Sn3.5Agではcp波が1/20,pc波が1/4であった. 4.Sn3.5Ag,Sn37Pbともに,ひずみ速度よりもひずみ波形の非対称性の方が寿命に与える影響が大きいことが分かった. 5.全ひずみ範囲によるSn3.5Ag,Sn37Pb,Sn60Pb,Pb5Sn1.5Ag,Sn8.5SbおよびSn7.5Bi2Ag0.5Cuの6種類のはんだの低サイクル疲労寿命の整理では,Sn3.5Agが最も長寿命であった.
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Research Products
(2 results)