2000 Fiscal Year Annual Research Report
高温超電導体の機械-電磁気連成による力学的挙動の研究
Project/Area Number |
12750086
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田村 仁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20236756)
|
Keywords | 高温超伝導 / 電磁力 / 構造材料 / 極低温 / 強磁場 / き裂 |
Research Abstract |
高温超電導体の工学的研究の発達により、電流リード部にこの高温超電導体を用い、リード部の小型化、熱侵入に関する優位性が提案されている。さらに、高温超電導体そのものをコイルや通電ラインに使用することも検討されている。超電導部材には電磁力により変形や応力が発生し、超電導体の特性である反磁性や磁束のピン止め効果により、力学的挙動は非常に複雑になる。本研究では、これらの現象を解明するために、高温超電導体を対象に、外部に一様な磁場が存在し、板に過渡的な電流が流れた場合の振動的変形挙動を実験的、解析的に明らかにしていく。平成12年度は、治具の製作、試験片の作成、試験準備を行った。磁場は液体ヘリウム中で9Tを発生させることができるコイルを使用し、このコイル中心の自由空間にサンプルとなる高温超電導体を配置し、両端を電源供給と共用するステーに固定する構造である。今後、サンプルに垂直な磁場を作用させ、通電時のサンプル中央での変位、歪を測定する予定である。実験の準備実施と平行して、現象の理論解析、得られた実験結果の評価のための解析の準備を行った。解析は汎用の有限要素法プログラムであるANSYSの電磁場計算コードを用い、定常磁場に時間的変化が起こった場合に近接物体に発生する渦電流を計算している。また、外力として電磁力のような物体力が作用した場合の過渡的応答を計算について、その計算方法の妥当性と精度を検証中である。来年度は実験を元にモデル化を行い、結果の定量的評価を行う予定である。
|