2000 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用する自律的な要素の挙動に基づく射出成形金型の冷却管自動配置
Project/Area Number |
12750099
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
是澤 宏之 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (70295012)
|
Keywords | 射出成形 / 金型設計 / 冷却管の配置 / 自律要素 / 相互作用 / 自動設計 |
Research Abstract |
平成12年度では,数値実験として,1.「相互作用する自律的な要素による冷却管の金型内部への配置システムの開発および数値計算による検討」を,成形実験用の金型製作として,2.「開発したシステムから得られる冷却管の配置状況の妥当性を検討する実証実験用の試験金型の設計検討」を行った. 1において,自律的な要素として,本研究では「行動要素」と「評価要素」を定義する.前者は,冷却管を構成する基本単位としての熱を取り除く要素であり,後者は,金型キャビティ表面の温度分布を評価するためにその表面全体に配置される要素である.各要素は,「現実情報の場」と「仮想情報の場」を通じて相互作用する.現実情報の場とは,一般的な数値解析により得られる金型内部の温度分布としての物理的な意味を有する場を仮想情報の場とは,行動要素を駆動するために生成される設計のための情報の場を意味する.そのため,適切な冷却管の構造あるいは配置を実現するためには,仮想情報の場の生成が重要となる.この場を支配する方程式として,本研究では偏微分方程式を想定している.数値実験の結果,効果的に行動要素を駆動するためには,ラプラス方程式に基づく仮想情報の場が有用である可能性が高いことを確認した.2において,来年度に実施予定である検証実験に関して,金型内で自由に曲がった冷却管を配管可能な試験金型の設計検討を行った. 平成13年度では,1においては,行動要素の効果的な駆動を実現するため,数値実験と成形実験の各結果を比較し,システムの機能向上を検討する予定である.2においては,実証実験用の試験金型の製作およびその成形実験を通じて,本研究で提案する自律的な要素の挙動に基づく冷却管の自動配置システムの妥当性を検討する予定である.
|
Research Products
(1 results)