2001 Fiscal Year Annual Research Report
高速ミーリング加工用工具の開発-サーマルクラック抑制型工具の考案とその効果について-
Project/Area Number |
12750102
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (90278101)
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Keywords | バインダーレスcBN工具 / サーマルクラック / 高速切削 / ミーリング加工 / 切削温度 |
Research Abstract |
従来,高硬度鋼の仕上加工に使用されているcBN工具は極端に熱膨張率の異なる物質[c-BN粒子(4.7×10^<-6>/℃)と結合剤(7.6〜5.1×10^<-6>/℃)]からなる複合型工具材であり,高速断続ミーリング加工に適用した場合には熱疲労が原因で生ずるサーマルクラックの発生により工具寿命は極めて短寿命となる.本研究では,結合剤の含まれないc-BN粒子の単一組成からなる新規cBN材料(バインダーレスcBN)の開発とその効果について検討する.(1)工具材料の作製については,結合剤を用いないで高温高圧条件でhBN粒子を直接変換させることにより,常温硬度HV5000,常温3点曲げ強度1.2GPa,熱伝導率500W/m・Kの諸特性を有すバインダーレスcBN焼結体を得た。(2)上述したバインダーレスcBN焼結体を用いて高速乾式条件(2000m/min)下で切削距離100km以上の切削を行った場合においてもサーマルクラックの発生は発生せず,優れた耐サーマルクラック特性を有していることを明らかとした.また,加工物の表面の黒鉛部分が表層流れにより覆い隠され,Ra:0.3μmの極めて良好な加工面を得ており、ねずみ鋳鉄材料の加工面としては極めて良好な表面粗さの実現に成功した。(3)切削環境を湿式環境とすることにより,刃先温度の加熱・冷却温度を変化させた実験的なアプローチを行い,バインダーレスcBN工具サーマルクラック発生領域を明らかとした.また,乾式加工における加工時最高温度と冷却時の温度測定を行い,その差が400℃程度であることを明らかとした.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Kato, K.Shintani, H.Sumiya: "Cutting performance of a binder-less sintered cubic boron nitride tool in the high-speed milling of gray cast iron"Journal of Materials Processing Technology. (掲載決定).