2000 Fiscal Year Annual Research Report
低燃量タイヤの開発を目的としたゴム材料摺動面直下の応力測定
Project/Area Number |
12750114
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩井 智昭 金沢大学, 工学部, 助手 (30242530)
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Keywords | 光弾性 / ゴムロール / 応力測定 / 摩擦 / リッジ / 接触圧力 / 表面形状測定機 |
Research Abstract |
本年度は応力に最も関連する接触圧力について注目し、負荷荷重を7.8N、9.8N、11.7Nと変えた時のゴムロールと相手面レンズとの摩擦・摩耗特性を求めた。また、その時の、光弾性干渉縞を測定することにより、回転するゴムロールの摩擦を受ける接触面近傍での応力分布を求めることができた。 ゴム試料は相手面レンズと接触する前部は圧縮応力を、接触する後部は引張応力を受けるが、定常状態で比較するとその大きさは荷重が大きいほど高くなった。また、一つのリッジが相手面と接触する前後の測定では、リッジが接触している最中は、荷重をそのリッジが支えるため、その部分の応力が高くなっている。しかし、リッジが接触面を通過した直後は圧縮、引張の値とも少し小さくなる。これは、リッジの通過により圧縮されていた部分が解放されるためであると考えられる。 リッジはのこぎり刃状の形状であり、摩擦によって生ずるき裂はその背面の角度でゴム試料内部に進展していく。そこで、補助金により購入した非接触式の表面形状測定機により、成長中のリッジ形状を求めた。その結果、リッジ高さは摩耗の進行により徐々に大きくなっていくが、その角度はほとんど変化しないことがわかった。また、各リッジ間の距離は増加していった。 よって、パターン摩耗では摩耗が進行すると表面に形成されたリッジ1つ当たりが受ける荷重が大きくなり、摩擦後部ではそのためにより大きい引張応力が生じていることが分かった。
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