2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750119
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
森山 茂章 福岡大学, 工学部, 助教授 (00299538)
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Keywords | 人工関節 / トライボロジー / 関節シミュレータ / 摩耗 |
Research Abstract |
人工関節の摩耗機構を解明し,人工関節材料の摩耗試験法を開発するために,人工膝関節のトライボ特性について検討した.歩行運動条件下の膝関節の運動を関節シミュレータ試験機を用いて再現し,人工膝関節の摩擦試験及び摩耗試験を行った.摩擦試験では,膝関節の主な動きである屈曲伸展運動と脛骨軸荷重に加え,回旋と脛骨前後方向の運動を付加した結果,これらの運動条件が人工関節の摩擦状態に大きな影響を与えることが確認された.また,潤滑膜厚さを数値計算により見積もり,実験値と比較すると,ほぼ実際の潤滑膜厚さが得られることがわかった.膝関節シミュレータによる摩耗試験については,運動条件が摩耗に与える影響を考慮に入れて現在実験中である.シミュレータ試験による摩耗試験は生体での使用条件に近いため,人工関節材料の摩耗試験としては理想的であるが,非常に長期の試験となるために,より簡単に人工関節材料の摩耗試験が行える摩耗試験法の開発が求められている.実際に臨床で使用された人工関節材料の摩耗は,単純な一方向摩耗試験や往復動試験で得られる結果とは,摩耗量・摩耗形態とも異なっている.そこで,XYテーブルを用いて,簡単に様々な運動が行える摩耗試験機を新たに開発した.現在この試験機において人工関節材料であるステンレスと超高分子量ポリエチレンの摩耗試験を行っており,今後シミュレータ試験の結果と比較し,人工関節の摩耗機構の解明と,摩耗試験の手法の確立を試みる.
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