2000 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃固体圧縮によるダイオキシン類等難分解性有害有機化合物分解技術の開発基礎研究
Project/Area Number |
12750137
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 琢磨 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90232991)
|
Keywords | 衝撃圧縮 / 超高圧 / ダイオキシン / 分解 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究は、固体の被分解物を高速飛行体の衝突により衝撃圧縮し、瞬時に化学的に分解する技術の開発基礎研究である。この分解技術のポイントは、被分解物を効率よく衝撃圧縮し、そして最大圧縮時に同期させて封入容器から外部へ急速に断熱膨張させることである。本研究の目的は、この分解技術の過程を可視化し、技術最適化のための基礎データを得ることであり、特に平成12年度は、分解過程の可視化技術の確立を最重要課題として設定し、研究を進めた。可視化実験では、実験チェンバーに設けた一対の光学窓を使用して(バックライト)照明と(影絵)観察を行った。チェンバー内部では激しい固体衝突が起こり、光学窓は激しいブラストに曝される。そこで、光学窓をガラス窓(外側)とアクリル窓(内側)との二重構造とし、アクリル窓はブラストシールドとして適宜交換しながら可視化実験を遂行した。可視化技術確立における要点は、バックライト照明の最適化であった。二段式軽ガス銃で飛行体を射出しているため、飛行体の直後には軽ガスが噴出してきており、バックライト照明光の平行度が高すぎると、チェンバー内部の固体構造物(ターゲットホルダー等)に衝突して複雑な流れとなった軽ガスが光を屈折させてしまい、ターゲット物質の噴出状態を可視化することが出来ない。軽ガスによる屈折の影響が小さくなるようにバックライト照明光の平行度を調整することによって、ターゲット物質の噴出状態を可視化することが可能となり、本年度の最重要課題は達成された。また、可視化実験では、分解実験で使用している被分解物質(1,3,5-トリクロロベンゼン)の代わりにアクリルのターゲットを使用した。実験では、衝撃波反射容器が変形しながらも10マイクロ秒程度閉じ込め壁の役目を果たしていることが可視化され、動作原理の最重要点である衝撃波反射容器のタンパー効果が検証された。
|
Research Products
(1 results)