2001 Fiscal Year Annual Research Report
水電解による水素製造の最適条件モデル化(沸騰現象との類似性)
Project/Area Number |
12750157
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 二郎 福井大学, 工学部, 助教授 (70251981)
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Keywords | 水の電気分解 / 水素システム / 気泡 / ボイド率 / 水電解セルのモデル化 / 局所電流密度 / 気液二相流 / 気泡上昇速度 |
Research Abstract |
水電解による水素製造効率は、電極間の発生気泡の影響を受ける。すなわち、電極間隔が狭くなると、基本的には電解液の電気抵抗ロスが減少し効率は上昇するが、発生気泡の増大は電極間ボイド率を上昇させ電気抵抗が増大するために、電極間隔には最適条件が存在する。昨年度は、この水電解セルの第1次近似的な物理モデルを構築し、その検証を目的として局所電流密度を測定し、モデルの妥当性を確かめた。本年度は、物理モデルの改良を目的として実験等を行い、以下の知見を得た。 1.【水電解の最適条件を求める実験】昨年度と同様に種々のパラメータ(電解液温度と濃度、電極間隔、電流密度)を細かく変化させてアルカリ水電解の最適条件を実験的に求めた。その結果、電流密度の増大に伴い最適電極間隔も増大することを実験的に確かめた。また、最適間隔より狭くなると、電極間ボイド率が非常に大きくなり、電気分解が事実上不可能となる電極間隔が存在することも分かった。 2.【発生気泡に関する情報の取得】発生気泡の直径およびその上昇速度については、デジタルビデオカメラあるいはスチルカメラによる撮影と画像処理により測定できた。電流密度が高く、電解液濃度が低く、電解液温が高いほど、気泡上昇速度が大きいことが分かった。気泡の直径(約0.01mm〜0.8mm)については、電流密度が増大すると、合体により直径分布は大直径側へシフトしていくことが分かった。問題点としては、電極間隔が狭い場合(最適間隔近辺)には、ボイド率が非常に大きいため、上昇速度や気泡直径の測定が出来なかったことが挙げられ、今後の課題である。 3.【物理モデルの再検討】昨年度構築し今年度改良を行った水電解セルの物理モデルは、1.で述べた実験結果を定性的に説明できることを確かめた。また、2.で得られた気泡の上昇速度や気泡直径の情報により、物理モデルがより改善される可能性を確認した。
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Research Products
(1 results)