2000 Fiscal Year Annual Research Report
超音波振動子の直接アクティブ制御による非接触振動・位置決め制御の試み
Project/Area Number |
12750191
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡辺 亨 日本大学, 理工学部, 講師 (80265933)
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Keywords | アクティブ制御 / 強力超音波 / 非接触浮上 / 振動制御 / 音響放射圧 |
Research Abstract |
最初に1次元超音波浮上実験装置を製作した。超音波振動子および電源アンプ・発振器は既存の超音波ウェルダーを改造して製作した。一方浮上体は非磁性体のガラス板とし、ホーンの先端と同一形状の円とすることで横方向の静的安定を確保する。実験の結果予想通りガラス板は安定した浮上状態を呈した。そこで非接触変位計と購入したパソコンに実装した計測システムを用いてその絶対変位を測定した所,平衡高さは約0.6mmと測定された。 この結果を用いて、平衡点近傍での浮上体-空気系の力学的等価モデルの構築を試みた。振動子に通電を開始した時と停止した時の時刻歴応答を測定し、現有のオシロスコープまたはFFTアナライザで取り込んで、その波形をもとに動力学モデルを構築することを試みた。検討の結果,非定常状態では空気膜の等価ばね定数も変化するため,「浮上高さから超音波力を推定する」ことは非定常状態では困難であることが確認された。 一方,上記の振動子に印加される高周波電圧を変化させた時の系の応答を測定し、その周波数応答を同定することを試みた。振動子に印加される高周波電圧の周波数は固定とし、力率を一定の周波数で変化させ、その周波数に対する浮上高さの変化を測定し、「力率-浮上高さ」の周波数応答を得ることを意図した。しかし,超音波発生装置に既存のウエルダーを用いたため,力率の変化を正確に与えることが困難で,精密な周波数応答を求めることはできなかった。 以上より,目的とする超音波力の連続アクティブ制御を実現するためには,(1)超音波圧力を直接計測すること(2)力率を精密に制御することが必要であることが明らかになった。 現在,超音波発生装置を改造し精密な周波数で力率を操作できるよう検討を続けると共に,圧力センサを購入して直接超音波圧力を計測する準備を進めている。
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