2001 Fiscal Year Annual Research Report
没入型ディスプレイ用非装着型ハプティックデバイスの開発
Project/Area Number |
12750202
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢野 博明 筑波大学, 機能工学系, 講師 (80312825)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 没入型ディスプレイ / ハプティックインタフェース / 非接地 / 非装着 / ジャイロモーメント / 移動型力覚提示装置 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度開発したジャイロモーメントハプティックインタフェースの評価および応用システムの開発とともに、移動型ハプティックインタフェースの開発と評価を行った。 ジャイロモーメントハプティックインタフェースは、高速回転するロータの回転軸を傾斜させることで発生するジャイロモーメントによってユーザの手元に反力を呈示する。装置の評価実験から、ユーザの知覚強度が力覚呈示方向によって1〜2割ばらつきがあることがわかった。このばらつきに応じて強度を補正し方向認識精度を向上させた。さらに視覚呈示装置と組み合わせ円筒や壁などのバーチャル物体を触って認識できるシステムや、ジャイロモーメントを使って目的地までの方向をユーザに呈示するアプリケーションの開発を行った。 移動型ハプティックインタフェースは、移動台車によってデスクトップ用ハプティックインタフェースをユーザの動きに合わせて動かすことで数ミリの大きさから数メートルの大きさまでのバーチャル物体を表現することができる。実装した装置はスライドレール上に移動部分を配置し、レールの両端にプーリを取り付け、この間をワイヤーで結ぶ。プーリを正、逆回転させることで移動台車を左右に移動させる。3自由度のパンタグラフ型ハプティックインタフェースを台車上に載せ、さまざまな大きさのバーチャル物体を呈示したところ、幅5mmから最大2mまでのバーチャル物体を表現することができることが確認できた。移動型ハプティックインタフェースを曲面型没入ディスプレイ内に設置し、CGとの同時呈示を行い、没入型ディスプレイにおける力覚呈示システムを実現した。 以上の結果から、提案する手法により非装着で大きな可動範囲を持つハプティックインタフェースの構築手法の有効性が検証された。
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