2000 Fiscal Year Annual Research Report
薄板状物体のマニピュレーション戦略導出に関する研究
Project/Area Number |
12750214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若松 栄史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60273603)
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Keywords | マニピュレーション / 変形しやすい物体 / 戦略導出 / 計算機支援 |
Research Abstract |
研究代表者は、これまで、紙などの薄板状物体の静的変形のモデリングについて研究を進めてきており、障害物が存在する3次元作業空間内での変形形状の推定に関して成果を上げている。しかし、この手法は具体的なマニピュレーション計画が与えられた場合にしか用いることができない。 一方、対象物と環境物との接触状態に着目して、薄板状物体の一般的なマニピュレーション過程をネットワークによって表現することにより、要求された作業目標を満たす状態遷移経路を自動生成し、そのような状態遷移を生じさせるためには、マニピュレータを対象物のどこに接触させればよいかをある程度求めることにも成功している。ただし、このシステムは作業空間が2次元に限定されている。また、得られた状態遷移経路は定性的なものであり、対象物の物理量、重力の影響、またマニピュレータの具体的な把持位置等は含まれていない。 そこで、平成12年度は、まず薄板状物体のマニピュレーション表現手法を3次元に拡張し、より一般的な遷移経路自動生成システムを構築した。具体的には、薄板状物体を頂点・稜線という要素の集合とみなし、それらの接触状態・接触方向によって、薄板状物体の接触状態を有限個のパターンに分類した。また、接触パターン間の遷移ルールも定義した。次に、得られた状態遷移経路から、変形解析の入力となる定量的データを確定する手法を確立した。これは、接触状態とその遷移から、頂点等の要素の移動方向と、力の加えることのできる方向を算出し、それらが重なるようにハンドの接触位置・方向を決定するものである。最後に、遷移経路自動生成プログラムと変形形状解析プログラムを結合したシステムを構築した。
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