2000 Fiscal Year Annual Research Report
状況に依存して内部構造が変化する視覚情報処理システムに関する研究
Project/Area Number |
12750217
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 恭之 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50291969)
|
Keywords | 視覚情報処理システム / オンライン学習機能 |
Research Abstract |
申請者は,状況に依存して内部構造を変化する視覚情報処理システムの構築を目指して,これまでにオンライン学習が可能なニューラルネットワークを画像処理アルゴリズムに組み込むことを提案してきた.本年度は,さらに多様な環境で実験を実施しこの手法が実世界中で有効に働くことを検証した.まず初めに,この視覚処理システムを実際に複数台の移動ロボットに搭載してその性能を検証した.このとき複数台のロボットにサッカーのような協調作業を行わせた.このようなタスクを遂行するためには,動的な環境下で互いに他のロボットの位置を把握する必要がある.これを実現するために各ロボットに周囲360度の環境を一度に撮像することのできる全方位カメラと着色された識別票を装着して,互いのロボットが全方位画像内で観測される方向を視覚処理システムにより計測して,複数台のロボットの位置・姿勢を推定する手法を開発した.この位置姿勢推定システムにおいても申請者の提案するシステムが有効に働くことを検証できた.実際のロボットに搭載して協調作業を行わせた研究実績を第4回ロボットワールドカップサッカー競技会と国際研究集会(2000年8月28日〜9月3日メルボルン)で,また位置姿勢システムに搭載した場合のものを研究発表文献1で公表した.今年度は,提案システムを移動ロボット上に実装することに重点を置いていたため,色情報以外の視覚的特徴を用いた場合のシステム構築に関する実験を行えなかった.従って,これらに関しては,来年度に実施する予定である. また,本研究ではソフトウェア上で実装された提案アルゴリズムをハードウェア上で実装することも目指しているが,本年度はこれを実現するために提案アルゴリズムの手続きを以下のように変更することを試みた. (1)if-then形式で実装されている部分を,ハードウェア上で実装容易なビット演算として表現する. (2)複数のif-then形式で実装されている部分を,変数を単精度実数表現することでビット演算として表現する. (3)画像データを圧縮した後,情報処理する. これらの手続きにより提案アルゴリズムの処理速度が5倍程度速くなることが確認でき,ハードウェア上で実装できる見込みを得た.この成果に関しては来年度に公表する予定である.
|
Research Products
(1 results)