2000 Fiscal Year Annual Research Report
永久磁石を内蔵した魚型マイクロロボットとそのケーブルレス駆動法の開発
Project/Area Number |
12750224
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 崇 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70295004)
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Keywords | マイクロロボット / ケーブルレス駆動 / 永久磁石 / 磁気トルク / 泳動機構 |
Research Abstract |
マイクロマシンの究極的な応用として、プラント内の細管を自在に動き回り検査や修理を行うマイクロロボットが期待されている。本研究では、とくに液体の満たされた配管内という環境を想定し、ケーブルレスかつ高速で移動可能な魚型マイクロロボットの実現を目指している。具体的には、永久磁石を内蔵した魚型泳動機構に対して、配管の外側に緩く巻いたコイルの発生する交流磁界によりケーブルレスで駆動を行う方法を提案している。本駆動方法によればこれまでのマイクロロボットでは難しかった長距離移動も容易に行うことができる。ここで用いた泳動機構は永久磁石とフレキシブル板から構成されるもので、永久磁石にはφ5mm×3mmのNdFeB磁石、フレキシブル板には厚さ125mのポリイミドフィルムを用いた。交流磁界を受けると磁石が磁気トルクを受けで回転振動し、フレキシブル板が魚の尾鰭のように揺動することで推進力を得る。まず、本泳動機構を水が満たされた内径10mm、長さ1mのシリコンチューブ内に入れ動作の確認を行った。その結果、最大80cm/sの高速で移動することを確認し、本駆動方法の有用性が実証された。次に、泳動速度の高速化を図るために、泳動機構に対してフレキシブル板の形状を様々に変化させ、速度が増加する形状を調べた。その結果、フレキシブル板が短い場合と細長い場合にそれぞれ高速となる形状があることがわかった。高速度ビデオカメラで観察したところ、短い場合には振動は定在波であり共振周波数において高速になる傾向が見られた。これに対して、細長い場合には振動は後方に向かって減衰する進行波になっており、最大速度を示す周波数は長さではなく磁界強度で決まることがわかった。今後はフレキシブル板の最適形状をより詳細に調べるとともに、泳動機構へのセンサ等の積載方法を検討していく予定である。
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