2001 Fiscal Year Annual Research Report
群ロボットシステムにおける行動原理の多様性の群能力創出へ与える効果の解明
Project/Area Number |
12750225
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
市川 純章 東京理科大学, 工学部, 助手 (30307714)
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Keywords | 群ロボット / 創発 / 形態 / 通信ネットワーク / シミュレーション |
Research Abstract |
小型移動ロボットに、周囲方向について6等分の分解能をもつ6つの光センサからなる局所的な通信検知機能を与える。これら6つの光センサは近隣の他のロボットを検出可能であるが、その検出パターンの組み合わせ総数は2の6乗個である。このうちの一つあるいは複数の検出パターンを"停止パターン"と定義し、停止パターンを検出しているときはロボットの移動を停止する行動原理を与えた。ロボットの基本的な行動原理は、停止パターンによる移動停止の行動原理の他に、障害物回避の行動原理、ロボット集団の過密と集団からの離脱を避ける行動原理を与えるが、これらの行動原理により、ロボットは一定の密集度を保ったままランダム的な挙動をするようになる。このとき停止パターンを検知して移動を停止した複数台のロボットは、それぞれ互いに通信可能な通信ネットワークを形成することができる。本研究ではロボットが十分長い時間動作した後に形成されている通信ネットワークを群ロボットシステムにより創出された形態ととらえ、群ロボットシステムによる形態形成の機能創出に関する特性を明らかにした。 形成される通信ネットワークのノードとなるロボットの停止パターンには幾何学的な特徴があり、それらは、他のロボットの検出方向が1つの"末端要素"、同2つの"線分要素"、同3つ以上の"分割要素"に大別できる。複数種類の停止パターンの混合と通信ネットワーク形態の関係をシミュレーションから調べたところ、ノード数の異なる通信ネットワーククラスタが複数形成され、その形成特性はクラスタ数、ノード数から特徴づけられた。末端要素が多いと、少ないノード数のクラスタが多く形成される傾向にあり、一方で、一つの停止パターンのみ有するロボットを複数種類用いた場合では、前述の形成特性と同様の特徴とはならず、その一要因として通信ネットワーク形成過程の影響が考えられた。
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