2000 Fiscal Year Annual Research Report
歯並び画像を用いたバイオメトリック個人識別によるセキュリティシステムの開発
Project/Area Number |
12750226
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
西内 信之 神奈川大学, 工学部・経営工学科, 助手 (70301588)
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Keywords | 画像処理 / バイオメトリック / 個人識別 / セキュリティ / 歯並び |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき、歯並び画像による個人識別アルゴリズムについて次の3ステップで研究を進めた。 1.歯並び画像データの取得 室内照明程度の不安定な照明環境においても安定した歯並び画像が取得できること目標とした。この問題は画像処理応用技術共通の問題であり、個人識別とは独立した克服すべき課題である。本アルゴリズムでは、顔の特徴点である、両目頭と鼻孔の中点の3点を抽出し、これらを基準位置として歯並び画像の抽出を行っている。この顔の特徴点抽出に、照明条件の変化に強いパターンマッチング処理を利用し、安定した歯並び画像の抽出を可能とした。しかし現段階では、画像処理の高速化が残された課題である。 2.歯並び画像データの数値化 これまで進めてきた研究では、歯の部分の画像を2値化し、歯の画素数を度数分布にとり、この数値を歯並びデータとして識別に用いていた。今回は新たに、上顎前歯下端のエッジ画像を歯並びデータとして用いることを試みた。まず被験者は上顎と下顎が少し離れる程度に口を開き画像を取得する。照明に照らされた前歯と輝度の低い口内の輝度差を利用し、微分処理によりエッジ抽出を行う。先ほどの基準点の1つである鼻孔の中点を基準点とし、識別に用いる上顎前歯下端のエッジ画素を切り出し、歯並びデータとした。今回は画像取得のとき被験者が上顎と下顎が少し離れる程度に口を開けることにより、画像処理自体がシンプルになっており、歯のエッジを用いた個人識別の可能性を確認することができた。今後は、ユーザの利用時の利便性を考え、上顎と下顎を閉じた状態での前歯のエッジ検出を検討していく。 3.個人データの識別 個人データの識別にはこれまでの相関係数を用いて行った。従来の度数分布を用いたアルゴリズムでの識別率は98%であるのに対し、歯のエッジ画素を用いたアルゴリズムでは99%と、識別率の向上が図られた。
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Research Products
(1 results)