2000 Fiscal Year Annual Research Report
高効率ダイヤモンド平面構造型電子エミッターの作製と電子特性解析
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12750271
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧 哲朗 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (80273605)
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Keywords | ダイヤモンド / 電子エミッター / 負性電子親和力 / 走査型トンネル電子分光 |
Research Abstract |
本素子構造において,ダイヤモンド連続膜と孤立粒子の比較において,連続膜からの電子エミッション特性から,極めて低い閾値電圧(V_d=10V)の観測に成功している.このエミッション機構の相違を解明するために,走査型トンネル電子分光法(STS)による評価を行った.これは,局所的な表面電子状態を調べることが可能であるため,ダイヤモンド連続膜,孤立粒子における電子エミッションサイトの評価に有効である.測定評価試料は,アンドープ水素終端多結晶ダイヤモンド薄膜(Ti/石英基板)ならびにアンドープ水素終端ホモエピタキシャルダイヤモンド薄膜(高圧合成Ib基板)を用意した.ダイヤモンド多結晶連続膜のSTS像(dI/dV分布)から,状態密度はグレインバウンダリー部に多く存在することが明らかとなった.さらに,グレインバウンダリー部,グレイン中央部のトンネル電流-電圧特性の評価を行ったところ,グレイン中央部において,強いp形整流特性が観測された.一方グレインバウンダリー部においては,逆方向電流(サンプルバイアス負)が観察された.p形整流特性は,ホモエピタキシャルダイヤモンド薄膜にも同様に観測された.水素終端ダイヤモンド表面はp形半導体で界面準位が抑制されており,観測された整流特性はダイヤモンド表面のバンドベンディングにより生じたものと考えられる.以上,STS測定結果,トンネル電流-電圧特性結果から,電子エミッションサイトは,グレインバウンダリー部により多く存在することが明らかとなった.これにより,グレインバウンダリー部を多く含む多結晶連続膜が,本素子構造の電子エミッション特性において,より低い閾値電圧を示したものと考えられる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Hosomi: "Enhanced Diamond Film Growth by Xe-Added Microwave Plasma CVD"Thin Solid Films. 368. 269-274 (2000)
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[Publications] Tetsuro Maki: "Electronic Properties of Diamond Thin Film for Planar Diamond Electron Emitter Applications"Applied Surface Science. 159-160. 583-587 (2000)
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[Publications] Hideki Kawamura: "Fabrication of Planar Diamond Electron Emitters for Flat Panel Displays "Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 558. 155-160 (2000)
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[Publications] Akihiro Ito: "Improved Stability of Metal-Insulator-Diamond Semiconductor Interface by Employing CaF_2/Thin BaF_2 Composite Insulator Film"Jpn.J.Appl.Phys.. 39(8). 4755-4756 (2000)
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[Publications] Tetsuro Maki: "Advanced Formation Process of Diamond MIS Structures for High-Performance MISFET Applications"The 5th Int.High Temperature Electronics Conference Albuquerque, New Mexico, 2000,. (to be publiched.).
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[Publications] Tetsuro Maki: "X-Ray Photoelectron Spectroscopy Characterization of Diamond Thin Film Surfaces for Electronic Device Application"Jpn.J.Appl.Phys.. 39(6B). L575-L578 (2000)