2000 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビームリソグラフィによるCVDダイヤモンド薄膜の超微細パターン形成
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12750303
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
清原 修二 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40299326)
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Keywords | ダイヤモンド / 微細パターン / 電子ビームリソグラフィ / ナフテン酸金属塩 / ECR酸素プラズマ |
Research Abstract |
ダイヤモンド電子デバイスやダイヤモンドを用いたマイクロデバイスの構造体を実現するためには、薄膜成長に加え、不純物ドーピング、徽細加工、電極形成技術などの技術課題を克服しなければならない。そこで、本研究では技術課題の1つである微細加工技術について注目した。得られたダイヤモンドの電子サイクロトロン共鳴(ECR)酸素プラズマの最適加工条件をもとに、電子ビームリソグラフィ技術を利用したダイヤモンドの超微細パターン形成プロセスについて検討した。この技術で最も重要なものがレジストであるが、一般にシリコンプロセスに用いられる電子ビームレジストはPMMA(poly-methyl methacrylate)のように炭素、水素、酸素の各元素の結合した有機物質は一般的に酸素プラズマ耐性がないため、酸素プラズマ耐性が見込まれるナフテン酸金属塩を初めて適用し、検討した。ナフテン酸金属塩は薄膜表面に薄い酸化膜を形成するため、酸素プラズマに対して耐性があると考えられる。そのため、マスクとして用いることにしたナフテン酸金属塩膜と人工合成単結晶ダイヤモンドおよび化学気相合成(CVD)ダイヤモンド薄膜とナフテン酸金属塩膜の高選択比の加工条件で加工を行い、ダイヤモンドの超微細パターン形成を試みた。まず、ナフテン酸Y、Ba、CuのECR酸素プラズマに対するエッチング耐性を検討した。この結果から、単体のナフテン酸金属塩膜は酸素プラズマに対するエッチング耐性が小さいことがわかった。そのために複合酸化物YBa_2CU_3O_7が得られるように前者らをモル比1:2:3で混合することで、酸素プラズマによって結晶化し、酸化膜を形成し耐性を持つことがわかった。したがって、ナフテン酸YBa_2CU_3O_7を微細パターン形成する際のマスク材料として用いることにした。バイアス電圧0、-200Vにおいて選択比10、13が得られ、最小線幅0.5μmのそれぞれ高さ1.2および3μmのラインパターンが形成でき、-200Vを印加した場合、先端0.1μmの三角錐形状になった。微細パターン形成の応用として、線幅0.5μmで高さ1.2μmの櫛の歯形状の微細パターンが形成できた。今後は我々の開発したパターンプロスを用いてマイクロマシン用ダイヤモンドマイクロギア等の作製を目標としている。
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Research Products
(1 results)