2000 Fiscal Year Annual Research Report
非線形予測子パラメータ族によるカオス時系列の非定常解析
Project/Area Number |
12750308
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 功 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (00261389)
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Keywords | カオス / 時系列解析 / 定常性 / 非線形予測 / 分岐 |
Research Abstract |
決定論的カオスが,実在系に偏在する現象として認知されるに伴い,カオス時系列を解析するための新しい信号処理技術の開発が急ピッチで進んでいる.これまでに,様々のカオス時系列解析手法が開発され,その有効性が確認されてきたが,従来型のカオス時系列解析は,「定常性」を仮定した時系列データに基づいて現象の定量化を試みるものが主流であった.しかし,現実に観測される実データに対しては,定常性の成立が必ずしも仮定できない状況がしばしば生じ,カオス時系列の解析結果が信頼性を著しく欠く場合が多く存在した.このため,実在系から計測されるカオス時系列の定常性を検定する手法を確立することが急務となっている. このようなカオス時系列の非定常性の問題に関して,今年度は,以下のような研究成果を得た. 1.スイッチ点検出アルゴリズムの開発 非定常カオス時系列は,計測中に分岐係数が複数の値の間をスイッチし,システムの質的状態が揺らぐシステムから生成される.このような非定常カオス時系列の背後に存在する分岐係数値を逆推定し,分岐係数値の変化するスイッチ点を検出するアルゴリズムを「非線形予測子パラメータ族の特異値解析手法」に基づいて開発した.比較的低次元のローレンツ方程式から高次元のマッケイグラス方程式まで,さまざまなカオス力学系を対象として,三点以上の分岐係数値の間をスイッチする非定常時系列に対して,スイッチ点を自動検出するアルゴリズムを開発した. 2.レーザーデータへの応用 1で開発したアルゴリズムをレーザーデータヘ適用し,実在系における有効性を確認した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Miyano: "Detecting nonlinear determinism in voiced sounds of Japanese vowel /a/"International Journal of Bifurcation and Chaos. 10巻8号. 1973-1979 (2000)
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[Publications] 徳田功: "カオス時系列の認識"Computer Today(サイエンス社). 99号. 12-16 (2000)
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[Publications] I.Tokuda: "Reconstruction of chaotic dynamics via a network of stochastic resonance neurons and its application to speech"Journal of Artificial Life and Robotics. (印刷中).