2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨格線抽出アルゴリズムを用いた多階調画像圧縮に関する研究
Project/Area Number |
12750343
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
升屋 正人 鹿児島大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60305159)
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Keywords | Mathematical Morphology / 骨格化 / 画像圧縮 / スケルトン |
Research Abstract |
本研究では多階調画像を二値画像化することで,比較的よく用いられている二値画像を対象とした骨格線(スケルトン)抽出アルゴリズムの適用を可能とし,二値画像と多階調画像を相互に変換することにより,結果としてスケルトンを用いた多階調画像の圧縮を実現した.多階調画像の二値画像化には,ビットプレーン符号化を用いた.これは,1画素あたりnビットの画像をn枚の1ビット画像(二値画像)として取り扱い,符号化する方法である.また,効率よくスケルトンを求めるため,8枚の画像を並べ1枚の画像とした後,処理を行った.単純にビットプレーン符号化を用いた場合,画像のエントロピーが大きくなるので,本研究では,最上位ビットプレーン以外のビットプレーンは上位ビットプレーンとのXORを取ることにより求めた. これら方法で符号化したテスト画像のエントロピーは6.56となり現画像とほぼ一致した.なお,最上位ビットからもう一度XORを繰り返すことで元のビットプレーンを復元でき,これを元に多階調画像の復元が可能である.スケルトン画像のエントロピーは5.36となった.この画像と,スケルトンを求める際に用いたstructuring elementの情報から元の画像を可逆的に復元できた. 画像圧縮ではまず,エントロピーを低下させ,次に符号化を行う.符号化に際しては圧縮は行われないため,エントロピーをどれだけ低下できるかが高い圧縮率につながる.本研究の方法はエントロピーの低下を実現しており,骨格線抽出アルゴリズムが画像圧縮に対して有効であることを示している.
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