2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨格線抽出アルゴリズムを用いた多階調画像圧縮に関する研究
Project/Area Number |
12750343
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
升屋 正人 鹿児島大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60305159)
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Keywords | Mathematical Morphology / 骨格化 / 画像圧縮 / スケルトン |
Research Abstract |
本研究では多階調画像をビットプレーン符号化の方法を用いて二値画像化することで,二値画像を対象とした骨格線(スケルトン)抽出アルゴリズムの適用を可能とし,二値画像と多階調画像を相互に変換することにより,結果としてスケルトンを用いた多階調画像の圧縮を実現した.また本研究の方法は,スケルトン画像とスケルトンを求める際に用いたstructuring elementの情報から原画像を可逆的に復元できる方法である. 多階調画像の二値画像化には,ビットプレーン符号化を用いた.これは,1画素あたりnビットの画像をn枚の1ビット画像(二値画像)として取り扱い,符号化する方法である.単純にビットプレーン符号化を用いた場合,画像のエントロピーが大きくなるので,本研究では,最上位ビットプレーン以外のビットプレーンは上位ビットプレーンとのXORを取ることにより求めた.なお,最上位ビットからもう一度XORを繰り返すことで元のビットプレーンを復元でき,これを元に多階調画像の復元が可能である. ISO/JIS-SCIDの画像N1〜N8をグレースケール化した画像を用いて評価を行ったところ,平均で,処理前7.748であったエントロピーは上位のビットプレーンとのXOR演算による二値画像化により5.878となった.この二値画像に対してスケルトン抽出処理を行った結果,エントロピーは5.867となった.画像によってはスケルトン化によりエントロピーが低下した場合もあったが,平均するとほぼ同じ値であり,スケルトン化が高圧縮であるとは言えない.これは,スケルトン画像が2枚以上の二値画像となりデータ量が増加してしまうためであると考えられる.本方法は,可逆性は保つことができたものの,二値画像化によるエントロピーの低下をさらに進めることはできておらず,圧縮アルゴリズムとしては高い性能を達成できなかった.スケルトンを1枚の画像におさめる新しい工夫が必要と考えられる.
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