2000 Fiscal Year Annual Research Report
メタヒューリスティックスの網再構成への適用ならびにその評価
Project/Area Number |
12750358
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
嘉藤 学 有明工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助手 (40270376)
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Keywords | 波長分割多重(WDM) / 光波ネットワーク / 再構成 / メタヒューリスティックス / 再構成アルゴリズム / タブー探索法 |
Research Abstract |
波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術を用いる光波網は、今後ますますその要求が高まるものと思われる広帯域のアプリケーションをサポートすることのできる高速・大容量通信網として期待されている。本研究では、送信ノードからのパケットが受信ノードに到着するまでに少なくとも1回の伝送(ホップ)が行われ、各ノードが格子状に規則的に配置されているマルチホップ網に着目する。 さて、WDMを基盤とする光波網においては、各ノードの送信器と受信器の波長を再割り当てすることにより、網の論理構成を変えることができる。したがって、中継トラヒック量を最小にするような最適ノード配置で網を運用することにより高い最大スループットを得ることが可能となる。しかしながら、最適ノード配置を求める問題はNP困難であり、ノード数の増加に伴ってとり得るノード配置の組合せ数は指数関数的に増加する。そのため本研究では、ノード配置を求めるためのアルゴリズムとしてメタヒューリスティクス(メタ戦略)を適用した。メタ戦略とは、組合せ最適化問題を解くための枠組みであり、初期解を求めるための基本戦術と、得られた初期解を改良するための戦略を組み合わせた枠組みである。 これまで本研究者は、遺伝アルゴリズム、タブー探索法、アニーリング法などのメタ戦略に基づくアルゴリズムを考案し、ある精度の近似解を得るのにかかる平均プロセス時間を尺度として用いて評価を行った。しかしながら、入力サイズ(ノード数)が比較的少ない16の場合についてのみ詳しく調べていた。本研究では、これまで良い性能を示していたタブー探索法のみに着目し、タブー探索法の初期解を複数個生成させるようにアルゴリズムを改良し、さらに以前よりもノード数が比較的多い場合(例えばノード数36、64など)について評価を行うことを目的とする。 これまで評価のためのプログラムを作成し、ノード数が36の場合について各種アルゴリズムパラメータの影響を調べた。そして平均プロセス時間が最小になるパラメータ値を明らかにした。ノード数が64の場合については今後詳しく調べる必要がある。また、設定する近似解の精度が比較的高くかつ入力サイズが大きな場合において、生成させる初期解の個数に、平均プロセス時間を最小にする値が存在することが明らかになった。
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