2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750380
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
児玉 哲司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50262861)
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Keywords | 超音波 / 距離計 / 周波数変調 / ディジタル相関器 |
Research Abstract |
超音波は電波、光などに比べて反射し易く、伝播速度も遅いので、距離計などに広く用いられている。距離計では、超音波パルスを放射し、目標物体からの反射波を検知することで、距離を測定する。比較的簡単な電子回路でできるので、多用されている。しかし、他のシステムなどが出すノイズで誤った作動をし易く、多重反射があると検出精度が悪くなるといった問題がある。こうもりは、周波数変調された超音波パルスを用いることで、他のこうもりなどが出すノイズがあっても、虫を捕えたり、障害物を避けることができる。反射波の遅延時間を計測する方法には、あるしきい値を超える瞬間を検知する方法、送信波とのパターンマッチングを行なう相関を用いる方法などがある。周波数変調パルスを用いる場合、反射波の遅延時間を計測するのは、通常のしきい値を用いる方法よりも、ノイズに強い相関を用いる方法がよい。相関を用いるにはプロセッサなどが必用であるが、汎用マイクロ・プロセッサでは、相関関数を実時間で計算するのは困難である。本研究では、ディジタル相関器を用いることで、このような問題を解決することを試みた。ディジタル相関器は、光子計数相関の実験用に発達してきた。clippingという概念によって単純な回路でディジタル相関器が構成できるようになった。ここで、clippingとはサンプリング間隔の間に検出される光子数が、ある設定された光子数よりも大きいとき1、それ以下は0と単純化することである。すると、相関関数の計算で全てが2値化されるので、複雑な演算回路無しに相関関数を計算する論理回路を構成することができる。本研究では、field programmable gate arrayを用いて、超音波距離計に適したディジタル相関器と周波数変調された超音波パルスの信号発生器を、一つのデバイスに実現し、ノイズがあっても、検出精度よく距離が測定できることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Nakahira,T.Kodama,T.Furuhashi,H.Maeda: "A bat-like sonar system consisting of hardware digital correlators"2000 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics, SMC 2000 Conference Proceedings. 2869-2872 (2000)
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[Publications] 森田新,中平健治,児玉哲司,古橋武,前田宏: "ディジタル相関器を用いた超音波距離計の開発"計測自動制御学会第39回学術講演会予稿集. (2000)
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[Publications] 森田新,中平健治,児玉哲司,古橋武,前田宏: "ディジタル相関器を用いた超音波距離計(II)"平成12年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 228 (2000)