2000 Fiscal Year Annual Research Report
人間の視覚に基づいた非接触表面粗さ計測システムの開発
Project/Area Number |
12750392
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
小田 功 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (80321404)
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Keywords | 表面粗さ / 非接触計測 / 回折 / 偏光 / 三次元形状 / モアレトポグラフィ法 / モアレ縞 / 位相シフト法 |
Research Abstract |
工業分野において,塗装面,紙,金属板などの品質向上のため.人間の視覚に基づいてその表面粗さを非接触で計測することが注目されている.本研究では光強度のみでなく,回折現象を利用した被検面の微細形状の計測と,表面形状の計測,および偏光という光学情報を組み合わせて,計測をおこなう新規的な粗さ計測システムを開発する. 様々な被検面に対して,表面粗さと人間の視覚に基づく表面粗さとの関係を調べた結果,被検面の微細な表面形状が影響をおよぼしているようであった.そこで,研究の第一段階として被検面の微細な表面形状を計測するため,今年度はモアレトポグラフィ法による三次元形状計測装置を開発した.この計測法は,広範囲におよぶ形状を一度に非接触で計測できる点が特徴である. 開発した計測システムの光源は,最大出力300Wのハロゲンランプであり,スライダックを用いて出力調節ができるようになっている.格子はピッチ2mm,格子部の大きさ410×410mmである.これは直径1mmのテグスを張り渡し,反射防止のためつや消し黒塗料で塗装したものである.格子枠には蝶番とマイクロメータを取り付け,位相シフトがおこなえるようにした.CCDカメラで撮影したモアレ縞画像を,画像入出力ボードでA/D変換してコンピュータに取り込む.VisualBasic6.0で開発した解析ソフトを用いて,モアレ縞画像の位相を求めて表面形状を得る.開発した計測システムを用いて,様々な物体の三次元形状を計測することが可能となった. 現状では開発した三次元形状計測装置の計測精度は数百μm程度であり,微細形状の計測までに到ってないが,今後はシステムの改造をおこない,数μm程度まで計測精度を向上させることで,被検面の微細形状と人間の視覚に基づいた表面粗さがどのような関係になっているか,データの採取をおこなう予定である.
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Research Products
(1 results)