2000 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造を有する補償機構による拘束システムの実効的制御に関する研究
Project/Area Number |
12750404
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 研二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40314364)
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Keywords | 拘束システム / スイッチング制御 / リファレンスガバナ / ロバスト制御 / 不変集合理論 / 離散時間システム / 凸計画問題 / 線形計画問題 |
Research Abstract |
現実の制御系は,アクチュエータの飽和要素,制御対象の保護のための制限など,多くの拘束条件を有する拘束システムである.このような拘束条件の存在を無視した制御系は,制御性能の著しい劣化,不安定化,さらに最悪の場合,機器の破損を招く事態に陥る. 本研研究では,このような拘束システムに対する実際的な制御法として,複数のコントローラを切り換えながら適用するスイッチング制御系,また制御系への外部からの目標値参照入力を整形し,制御系への実際の目標入力を生成するリファレンスガバナの実現法を提案した.これら制御系設計法の特徴として,制御系の安定性や性能などの基本的な要求を通常のフィードバックコントローラが達成し,拘束条件が引き起こす悪影響をスイッチング機構,リファレンスガバナの上位の補償機構が抑制する,階層構造が挙げられる. 本研究によるスイッチング制御系は,制御対象からの出力の観測のみにより実現可能である.スイッチング制御系の実現には,制御系の振舞いを決定する状態すべての観測が,これまで必要であった.したがって本研究により,スイッチング制御系の,より現実的な仮定のもとでの実現が可能となった.またリファレンスガバナは,制御系の性能を陽に考慮したうえで,目標値の整形を実行する.リファレンスガバナに関する研究の焦点は,拘束条件の達成のみに,これまであてられてきた.本研究では,リファレンスガバナの本質的な構造に着目し,拘束条件の達成のみならず,制御性能向上を計る能力の存在を指摘し,これの具体的な活用法を提案した.これは,拘束条件の負の側面を緩和するだけではなく,課せられた拘束条件の範囲内で最大の性能を得るという,拘束条件の正の側面の活用を指摘する研究成果である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平田研二,藤田政之: "オブザーバ型部分スイッチング制御則による拘束システムの安定化"システム制御情報学会論文誌. 13・9. 424-432 (2000)
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[Publications] 平田研二,藤田政之: "拘束システムに対する出力フィードバックスイッチング制御則の構成法"システム制御情報学会論文誌. 13・8. 386-393 (2000)
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[Publications] K.Hirata and M.Fujita: "Control of systems with state and control constraints via controller switching strategy"Workshop on Systems with Time-domain Constraints. (2000)
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[Publications] K.Hirata and M.Fujita: "Measurement feedback switching control for systems with state and control constraints"Proceedings of the 2000 American Control Conference. 3321-3325 (2000)
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[Publications] 平田研二,小木曽公尚: "拘束条件の達成を考慮したリファレンスガバナの一構成法"第23回 Dynamical System Theory シンポジウム. 25-28 (2000)
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[Publications] 平田研二,小木曽公尚: "オフライン計算によるリファレンスガバナの一構成法"第43回 自動制御連合講演会. 19-20 (2000)