2001 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し荷重下のプレキャストPC部材の変形挙動に関する解析的研究
Project/Area Number |
12750439
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
冨田 充宏 石川工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (40217542)
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Keywords | プレキャスト / 繰り返し荷重 / 剛体-ばねモデル / ハイブリッド型変位モデル / 変形挙動 / 塑性変形能 / 終局耐力 |
Research Abstract |
本研究は,プレキャストPC部材の変形挙動,すなわち終局耐力ならびに塑性変形能を解析的に解明することを目的としている。本年度の研究では,昨年度の研究において開発したプレキャストPC部材の材料非線形解析法を,"剛体-ばねモデル"の離散化解析法より解析精度の向上が期待できるハイブリッド型変位モデルである離散化極限解析法(HPM : Hybrid-type Penalty Method)に修正を行い,その解析法の妥当性と有効性について以下に示す項目の検討を行った。 1.破壊基準と構成則の検討: 本解析法は,ばね常数としてペナルティを用いる新しい解析法であり,ペナルティにせん断すべりや引張破壊等の条件を考慮する必要がある。そこで,従来使用している"剛体-ばねモデル"の解析法の破壊基準や非線形アルゴリズムが,本解析法に対応可能か否かについて検討した。その結果,ペナルティの値に注意することによりせん断すべりや引張破壊の解析に対しては,十分な解析精度が得られることが確認できた。 2.コンクリートの材料特性の検討: 本解析法は,"剛体-ばねモデル"の解析法では取り扱っていない要素内応力や要素内ひずみを有する利点があり,圧縮領域における非線形性の解析精度の向上が期待できる。そこで,従来使用しているコンクリートの引張-圧縮特性および圧縮-引張特性等の本解析法への適用性について,既往の実験結果や"剛体-ばねモデル"の解析結果と比較・検討した。その結果,一応の解析精度が得られて,コンクリートの材料特性の本解析法への適用性が確認できたが,コンクリートの圧縮強度,PC鋼材の降伏強度等をパラメータとしたパラメトリック解析を実施できるまでの解析精度の向上が得られなかった。そのため,今後本解析法に最も反映できる材料特性の導入が継続的な検討課題である。
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