2000 Fiscal Year Annual Research Report
不規則形状3次元粒子からなる粒状体の数値解析手法の開発とせん断層構成則の検討
Project/Area Number |
12750440
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松島 亘志 筑波大学, 機能工学系, 講師 (60251625)
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Keywords | 個別要素法 / 不規則粒子形状 / 粒子形状指標 |
Research Abstract |
近年のコンピュータの進歩とともに、粒子を離散的に扱う数値解析手法が注目されているが、このような解析手法に、砂や礫などの不規則粒子形状の影響を取り込むことが、本研究の主題である。まず、最も直接的に、実際の砂粒子の形状をそのままモデル化して取り込むことが考えられる。本研究では、十分な数の砂粒子の形状をデジタル画像として取得し、それをそのまま取り込んだ2次元解析手法を構成した。数値計算に要する時間は、最も単純な円の場合の16倍程度であり、一応、計算は可能であることが示された。しかし同時に、3次元不規則形状要素に関しては、なお現状のコンピュータの性能は十分でないことが予想される結果ともなった。 一方、複数の球粒子をつなぎ合わせて、不規則形状を表現する手法も提案されている。しかし、これも実際の粒子をそのまま再現しようとすると数多くの球粒子が必要となり、計算時間の増大につながる。従って、複雑な粒子形状をそのまま再現するのではなく、なるべく少ない球粒子で、等価な効果の得られるような粒子形状を用いることが望まれる。このような表現のためには、不規則粒子形状がマスとしての力学特性に及ぼす影響を力学的に明らかにする必要がある。本研究では、既にマクロな力学特性の得られている4種類の砂に関して、十分な数の粒子の形状をデジタル画像として取得し、それぞれの砂の平均的な粒子形状の定量評価を行った。その結果、楕円形で近似されるような、粒子の全体的な形状に関しては、4種類の砂で大きな違いがなく、それよりも粒子表面の凹凸の度合いが各砂で異なり、それがマクロな強度等の違いに寄与していることが明らかとなった。粒子表面の凹凸は、これまでの研究から、粒子接触点でのモーメント伝達と直接関わる量である。そこで、不規則形状粒子が伝達しうる接点モーメント量を基にした新しい粒子形状指標を提案し、その妥当性を検証した。
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Research Products
(1 results)