2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートを超える圧縮強度を有する固化処理構造材の開発
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12750454
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠間 清伸 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10315111)
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Keywords | 浚渫粘土 / セメント / 固化処理土 / 高圧脱水 / 高強度化 / 有効利用 / ゼロエミッション化 |
Research Abstract |
本研究では固化材を加えた浚渫粘土を高圧で脱水することにより、コンクリートなどの構造材料の強度に匹敵する高強度な固化処理土を作製し、固化処理土の新たな可能性を拡大するのが目的である。 得られた研究実績をまとめると以下のようになる。 1)固化処理土の高圧脱水特性 固化処理土の研究の中で、固化が始まる前の脱水特性を詳細に調べた研究は少ない。今回のように、均一かつ高強度な強度を有する固化処理土を作製するさいには、固化材を混合した直後の固化処理土の圧縮特性および脱水特性を知る必要がある。そこで、本研究では、定ひずみ圧密試験を用いて、母材に固化材を混合した後に急速に加圧・脱水した時の圧密特性を評価した。 2)高圧脱水用モールドの作製と高強度固化処理土の強度特性 高強度な固化処理土を短時間で作製するさいには、固化作用が発揮される前に均一かつ短時間で脱水を行う必要がある。そこで供試体の全周面より排水可能であるモールドを作製する。開発したモールドの特徴として、試料の全面にポーラスメタルが設置してあり、効率よく余剰水を脱水することが可能である。作製した固化処理土の均一性および強度特性を知るために、作成後の含水比分布および一軸圧縮強度を測定した。その結果、どんな排水方法においてもセメント添加率が増すと、供試体の高さ方向および半径方向の含水比分布は均一になる傾向がある。また、脱水方法は周面ろ紙排水が含水比分布の均一化に適している。一軸圧縮強度に着目すると載荷応力を12MPaまで上げると、加圧脱水しない場合に比べ、養生日数7日で約16倍、養生日数28日で約8倍の一軸圧縮強さを得た。このように、高圧脱水固化は一軸強度の増加に有効である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 那須智彦,善功企,笠間清伸,林晋: "定ひずみ圧密試験によるセメント混合浚渫粘土の高圧脱水特性"第35回地盤工学研究発表会発表講演集. 1卷. 1249-1250 (2000)
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[Publications] 笠間清伸,善功企: "過圧密比に着目したセメント混合処理土の非排水せん断強度"第35回地盤工学研究発表会発表講演集. 1卷. 1229-1230 (2000)
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[Publications] Kasama,K.,Zen,K.,Nasu,T.,Hayashi,S.& Sato,T.: "An attempt for Producing High Strength Cement Treated Clay by Mechanical Dehydration"Proc.of 2^<nd> Int.Symp.On Lowland Technology. 169-176 (2000)
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[Publications] 那須智彦,善功企,陳光斉,笠間清伸: "脱水機構に着目した高強度固化処理土の作製"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. (投稿中). (2000)
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[Publications] 林晋,善功企,陳光斉,笠間清伸: "高圧脱水固化後のセメント処理土の一軸圧縮強さに及ぼす初期含水比の影響"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. (投稿中). (2000)
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[Publications] 田畑陽丞,善功企,陳光斉,笠間清伸: "定圧載荷による浚渫粘土の高強度セメント処理化"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. (投稿中).