2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750461
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沖 和哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (30293880)
|
Keywords | 海底地盤変動 |
Research Abstract |
本研究の目的は,海底地盤変動とそれに伴う発生波との相互干渉を考慮した理論を誘導し,実海域への適用に向けた高精度かつ安定した計算が可能な数値予測モデルを開発することである. 本研究で得られた結果は次の通りである.まず,Weiら(1995)の拡張型Boussinesq方程式の導出方法にならい,海底地盤変動とそれに伴う発生波との相互干渉を考慮したBoussinesq方程式を誘導し,数値モデルの基礎方程式とした.この際,波形勾配の2次のオーダーまで考慮した.海底地盤変動が発生する場合には,海底地形は通常複断面地形となる.そのため,基礎方程式として用いたBoussinesq方程式による数値モデルで複断面地形上を伝播する波浪の変形計算を行い,既往の実験との比較を行った.基礎方程式に含まれる時間微分の項に対してAdams-Bashforth-Moutonの予測子修正子法を用いて差分を行っている.予測子としてはAdams-Bashforthの3次スキームを用い,修正子としてAdams-Moutonの4次スキームを用いている.このようにして得られる差分式は,予測計算および修正計算ともに3重対角マトリックスを解くだけなので,数値計算を極めて効率的に解くことができる.比較計算を行った結果,実験結果とよく一致しており,用いた数値モデルは複断面地形上でも十分適用であることが示された. 今後は海底地盤変動を考慮する項を組み込んだモデルでの計算を行い,実海域への適用に向けて継続的にモデルの改良および検討を行う予定である.
|