2001 Fiscal Year Annual Research Report
GPSとマルチパラメータレーダーを用いた豪雨の詳細な構造解析
Project/Area Number |
12750462
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大石 哲 山梨大学, 工学部, 助教授 (30252521)
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Keywords | GPS / マルチパラメータレーダー / 雲物理モデル / 局地豪雨 / 水蒸気 |
Research Abstract |
降雨時の水蒸気動態を主としてGPS,マルチパラメータレーダー,メソ気象モデル,雲解像数値モデルによって解析した. ・X-BAIU98, 99の解析 1998年梅雨期に長崎県橘湾周辺,1999年梅雨期に鹿児島県甑島列島で行われた降雨観測実験データのうち,GPS, 2重偏波レーダー,雲解像モデルを用いて主として小規模水蒸気擾乱について考察した.その結果,小さなスケールの線状エコーのような水蒸気のコントラストが比較的明確な対流性降雨の場合には,雲解像モデルの出力結果とGPS位相残差データはよい対応関係を示し,その変動量は大気遅延量で10〜20mm/10分程度であることが示された. ・琵琶湖における解析 1998, 1999年に琵琶湖周辺で生起した局地豪雨現象をGPS, 3次元レーダー,メソ気象モデル,雲解像モデルを用いて,主として降雨生起後の移流方向について考察した.そこでは,GPS可降水量の絶対値が少ないときでは,雨域の移動は下層の可降水量収束方向に進むこと,可降水量の絶対値が大きいときでは,雨域の移動方向は可降水量の収束方向に依存しないこと,メソγスケールの水蒸気変動をシミュレーションによって捉えるためには,モデルの水平スケールを1km以下にしなくてはならないことが示された. ・GPSつくば稠密観測の解析 2000年につくば市周辺で行われた稠密観測結果を気象庁気象研究所/数値予報課非静力学モデル(MRI/NPD NHM),雲解像モデルを用いて,主として雲中の雨滴粒径分布と小規模水蒸気変動について考察した.その結果,雲内の水蒸気変動は雨滴粒径分布の増大に伴う下降風の発生によって減少するが,雲の発達に伴って生じる潜熱放出による鉛直上昇風の発生によって増大することが示された.すなわち,雨滴粒径分布および潜熱放出量を適切に推定する必要がある.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大石哲: "GPSと雲解像モデルを用いた梅雨期におけるメソスケール水蒸気動態解明に関する研究"京都大学防災研究所年報. 43B-2. 153-166 (2000)
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[Publications] 大石哲: "GPSと雲解像モデルを用いた梅雨期におけるメソスケール水蒸気動態解明に関する研究"水文・水資源学会誌2000年研究発表会要旨集(優秀ポスター賞). 20-21 (2000)
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[Publications] OISHI, Satoru: "Effect of Water Vapor on Advection of Convective Rainfall Cells around the Lake BIWA, JAPAN"Fifth Int. Symp. on Hydrol. Appl. of Weather Radar. 171-176 (2001)
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[Publications] 呉新華: "火山地域におけるGPS測位に及ぼす局地的な水蒸気変動の影響について"電子情報通信学会誌. J84-B12. 2149-2159 (2001)
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[Publications] 中川勝弘: "TRMM/PRを用いた山岳域における地上降雨量分布推定"土木学会水工学論文集. 46. 31-36 (2002)
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[Publications] 大石哲: ""リモートセンシングと気象"GPSを用いた水蒸気変動解析"18 (2000)