2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750465
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
押川 英夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80311851)
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Keywords | 海域 / 砂移動 |
Research Abstract |
福岡市内の博多湾に面するシーサイド百道の人工浜は海浜公園となっており、市民の憩いの場として親しまれている。この人工浜は波浪対策として防波堤に囲まれているが、現在でも波の入射により砂浜が侵食され変形し続けている。その変化は自然に復元されることがないため、毎年利用者の増え始める6月頃までに大掛かりな改修工事を行ない渚の形状を戻している現状がある。そこで本研究では、昨年度より実海域における土砂移動を調べる目的で、そこでの海浜変形過程を調査している。昨年度は過去に行われた深浅測量の解析と写真による汀線の変遷の把握等の比較的簡単な調査に限られていたが、本年度は人工海浜の調査が本格的に始められた。 本年度の調査は、2001年4月17日から行われている現地海浜の開口部に設置した自記式波浪計測器による波浪観測、海浜改修工事が行われた6月下旬からは汀線付近及び堤内の深浅測量(月に1、2回程度)、不定期に行った採砂調査、昨年度から行われている現地海浜近傍の自記式気象計測器による気象観測および平均潮位時の汀線の写真撮影等である。 平成12年度までの写真撮影等の調査結果では、強い季節風が吹く冬場に顕著な海浜変形はみられず、また最も不自然な海浜形状であったはずの6月の海浜改修工事直後においても8月9日までの深浅測量および写真撮影の調査結果に顕著な変形はみられなかった。しかし、平成13年8月20日頃に来襲した台風に起因して、8月22日に行った測量結果には8月9日に行った結果との間に顕著な差異が見られた。例えば中央の汀線付近は大きく後退していたが、海浜の両サイドは大きく前進していた。波の解析結果によるとこの台風の際の有義波高は最大で50cm程度であった。その後の海浜変形は冬に近づくにつれて高くなった波(特に高い場合には、有義波高で60〜110cm程度)により、徐々に変形していた。
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Research Products
(2 results)