2001 Fiscal Year Annual Research Report
河川構造物周辺の三次元流況と局所洗掘予測のための非定常解析モデルの開発
Project/Area Number |
12750467
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
木村 一郎 四日市大学, 環境情報学部, 助教授 (60225026)
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Keywords | 数値解析 / 河川構造物 / 水制 / 乱流モデル / CFD |
Research Abstract |
水制,堰,橋脚等の河川構造物周辺では,非定常性の強い三次元的な流れ場が生じる.このような流れはしばしば局所洗掘を誘発し,構造物の安定性や河川環境に対して影響を及ぼすため,十分な検討が必要である.本研究は,乱流モデルとして非線形k-εモデルを用いた三次元数値解析手法をベースに,河川構造物周辺の流況と局所洗掘を予測するための実用モデルを構築するものである.本年度は,昨年度までに開発を行ったデカルト座標系における解析モデルを複雑な地形と水面振動に対応できるよう移動一般座標系に拡張するとともに,実際の河川構造物を想定した流れに対する適用を行った.さらに,流砂モデルを組み込み,河床変動の予測を可能おつるモデルへと拡張を行った. 基礎方程式の一般座標への変換に当たっては,共変微分とクリストッフェル記号を用いた表記を採用し,保存性と安定性を考慮して完全スタガード格子上に変数を配置した.モデルの検証のため,矩形容器内の水面振動や段波等の単純な現象に適用し,再現性を検証したところ,比較的大きな水面変動を有する流れ場に対しても,十分な精度を有することを確認した.このモデルを斜め越流型水制周辺の流れ場に適用した結果,上流向き水制では底面付近に水制奥部へ向かう流れが生じること,下流向き水制ではその逆向きの流れが生じること等,従来の実験結果と定性的に適合する結果が得られた.また,水制先端部からの渦の発振やそれに伴う水面振動等の非定常現象についても再現可能であることを確認した.河床変動の再現性については定性的に良好であったが,洗掘深の実用的な予測のためにはさらにモデルの精度を高めることが必要といえる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Hosoda, I.Kimura, S.Onda: "Some necessary conditions for a non-linear k-ε model in classified flow patterns with a singular point"Proc.2^<nd> Int.Symp.on Turbulence and Shear Flow Phenomena. Vol.III. 155-160 (2001)
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[Publications] 木村一郎, 細田尚, 音田慎一郎: "斜め越流型水制周辺の三次元流況に関する数値解析"第15回数値流体力学シンポジウム講演論文集. (CD-ROM). 1-8 (2001)
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[Publications] 木村一郎, 細田尚, 音田慎一郎: "非線形k-εモデルによる斜め越流型水制周辺の三次元流れの数値解析"土木学会中部支部平成14年度研究発表会講演概要. 193-194 (2002)
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[Publications] 木村一郎, 細田尚, 音田慎一郎: "完全スタガード移動一般曲線座標系における三次元開水路乱流シミュレータの開発"四日市大学環境情報論集. Vol.5. 145-170 (2002)
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[Publications] 木村一郎, 福井愛: "木曽川下流域における水制群周辺の流れに関する数値シミュレーション"四日市大学環境情報論集. Vol.5. 171-184 (2002)
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[Publications] I.Kimura, T.Hosoda, K.Motoki: "Prediction of flow characteristics over a rib in open channels by empirical model and non-linear k-ε model"Flow Modeling and Turbulence Measurements. 8(in printing). (2002)