2000 Fiscal Year Annual Research Report
現地観測に基づく水・底泥間での溶存酸素・栄養塩の移動フラックス推定手法の構築
Project/Area Number |
12750468
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
東野 誠 大分工業高等専門学校, 土木工学部, 講師 (90311117)
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Keywords | 底泥 / 溶存酸素 / 栄養塩 / 富栄養化 / 現地観測 / 水環境 / 物質移動 |
Research Abstract |
本研究では,水・底泥間での溶存酸素・栄養塩等の溶質の移動特性を明らかにするために,室内において底泥材料としてカオリナイトを,溶質としてメチレンブルーを用いて底泥から流水への物質移動に関する基礎実験を行った.実験は水理学的滑面,桟粗面に対して実施するとともに,開水路凹部流れにおける物質移動に関しても検討を加えた.また,水・底泥間での物質移動フラックスは底泥直上の流れ場における物質移動と,底泥内部における物質移動の両者によって決定されると考え,これら両者について理論的考察を加えた.特に,底泥内部での物質移動に関しては,底泥粒子と溶質との間の吸脱着を考慮した.上述の解析に基づいて,水・底泥間での溶質移動過程をモデル化した. 一方,水質変化過程には前述のような物理的な物質移動や吸脱着,化学的な物質変換や酸化還元,微生物の代謝に加えて,種々の不確定な要素が含まれることが知られている.本研究では,水質変化過程に内在するこのような不確定要素を確率的成分ととらえる立場から,水質変化過程の解析に確率論的方法を導入して基礎的な検討を行った.解析にあたっては,水質変化過程は決定論的法則に従う確定的成分と偶発的な生起を表す確率的成分からなると考え,確率微分の概念を応用したモデル化を行った.次に,実水域において試料を採取し,室内において水質変化過程に関する基礎実験を行い,得られた時系列を解析してその構造を調べた.また,時系列構造の解析から得られたパラメータを用いて,上述の確率論的考察より構成したモデルによる水質変化過程の再現を試みた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 東野誠,神田徹: "開水路凹部流れにおける水・底泥間の物質移動"水工学論文集. 第44巻. 1077-1082 (2000)
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[Publications] Higashino,M.and Kanda,T.: "Modeling of Diffusional Mass Transfer from Sediment Bed to Flowing Water in Open Channel"Proc.of 4th International Conference for Hydroinformatics 2000. (2000)
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[Publications] Higashino,M.and Kanda,T.: "Diffusional Mass Transfer from Bottom Sediment to Flowing Water for Sediment Bed with Strip Roughness"Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering, JSCE. Vol.18,No.2. 135-144 (2000)
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[Publications] 東野誠,神田徹: "水中の溶存酸素消費過程に関する確率論的考察"水工学論文集. 第45巻. 1225-1230 (2000)