2000 Fiscal Year Annual Research Report
旅客交通整備評価のための空間的一般均衡モデルの開発と応用
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12750474
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小池 淳司 鳥取大学, 工学部・社会開発システム工学科, 助教授 (60262747)
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Keywords | 空間的応用一般均衡モデル / 旅客交通整備 / 費用便益分析 / 新幹線整備評価 |
Research Abstract |
現在,わが国では,財政赤字の増大などの社会的要請をうけて,社会資本整備評価必要性が叫ばれている.社会資本整備評価のためには定量的な客観性を有する評価手法が必要であるが,そのためには経済理論に基づいた社会資本整備手法の確立が不可欠である.土木計画学の分野では,こられ社会的要請に答える形で,社会資本整備評価に応用一般均衡モデルを適応する試みがここ数年の研究課題となってきている.本研究では旅客交通整備評価のための空間的応用一般均衡モデルの開発と同時に,その実証分析に向けた応用の検討を行うことを目的としている. モデルの開発は,従来の旅客トリップを明示した理論モデルを応用一般均衡モデルに整合する形で拡張を行う.このときの問題点は(1)応用一般均衡理論におけるパラメータ・キャリブレーション手法がどの程度応用可能であるか,(2)実量単位の交通トリップを貨幣単位の経済変数とどのように整合するかの2点であるが,本研究では(1)に対しては新たなパラメータ・キャリブレーションの手法を提案し,(2)に対しては企業の旅客交通費用を本源的生産要素の一部として捕らえることで整合を図った. 本年度は,モデル構築を終え,実証研究として整備新刊整備計画を評価した.ここまでの成果は土木計画学研究・論文集に掲載されている.また,モデルの応用可能性として,大規模災害による交通機関破壊の経済的被害額推計,航空産業における規制緩和の国民経済的効果の計測などを考えており,来年度の研究課題として取り組む計画である.
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Research Products
(1 results)