2000 Fiscal Year Annual Research Report
東海環状自動車道を事例とする、地域均衡発展のためのネットワーク整備に関する研究
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12750478
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森杉 雅史 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00314039)
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Keywords | 都市の長期的発展 / 東海環状道路の整備効果 / 少子高齢化社会 / 均衡の安定性 / 内生的成長理論 |
Research Abstract |
本年度は都市経済の実態や交通社会資本整備による地域へのインパクト等、東海環状道路整備評価シミュレーションモデル構築の際に必要なデータ収集及びデータベース作成とパラメータ推定を行った。また、論理基盤の考察は昨年度から引き続いているものを整理し、学会等で発表した。収集したデータの細目は、東海環状道路整備予定地周辺の中部3県における代表都市(43に限定)に関連するもので、国勢調査、各県統計年鑑、各県統計書、消費実態調査,建設省パーソントリップ調査、物流センサス、その他産業連関表、事業所統計等に渡り、先ずこのデータベース作成を手がけた。都市の土地利用携帯を把握するためには、住宅環境及び生活インフラ整備のデータ取得を必要とし、今後も活動を続けていく。パーソントリップ調査はOD表が鉄道の駅を単位とするので、先ず対象圏域を都市を代表させるセントロイドをノードとした主要幹線道路(国道及び高速道路)、鉄道で構成される仮想ネットワークを空間数値情報処理ソフトを用いて描き、ODを再集計し旅客業務交通の実態を適度な形で把握できるようにした。また、本研究では各都市に居住する世代別(総務庁データで典型のように5歳ピッチ)の住み分け・消費行動を重視し、都市の人口及び経済の長期的規模の推移を捉えることと共に、少子高齢化社会における東海環状道路の意義を探ることを年頭におくこととした。そのため、各種変数の因果関係を整理するために多段階における回帰分析・感度分析を行っている。例えば、平成8年度都市クロスセクションデータ回帰分析では、1人当たり所得成長率は、高齢化率に負、昼夜間人口比率(およそ実質就業率に相当)、就業者1人当たり純生産及び所得に正で有意な因果関係が認められ、ほぼ理論基盤に整合的な結果が得られた。これらの一次的な結果を元に、モデルの構造方程式を立て、同時方程式推定方法を確立しパラメータを求め、最終的に均衡モデルに形で整理した後シミュレーションが実施される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 森杉雅史: "内生的成長論に基づく都市システムの定常均衡解における安定性分析"応用地域学研究. No.5. 77-90 (2000)
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[Publications] 森杉雅史,奥田隆明,林良嗣: "交通社会資本整備による地域間均衡成長への影響分析"土木計画学研究・講演集. 22. 111-114 (1999)