2001 Fiscal Year Annual Research Report
AHS-aの評価を念頭においた幹線交通機関選択および経路選択モデルの統合化
Project/Area Number |
12750485
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (20223373)
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Keywords | 生体ストレス / AHS / RRI / 長距離運転 / サーカディアンリズム / 交通機関選択モデル / 便益計測 |
Research Abstract |
AHS-aの導入効果は、交通流の最適化、交通事故軽減に焦点があてられている.一方、利用者側の立場に立てば、長距離運転による精神的、肉体的ストレスが大幅に軽減すると想定される.新たな交通機関の利用特性を把握するためにも人間の生理に与える影響の把握は大変重要な課題と考えるが、ストレスと交通行動との関係に着目した研究はきわめて僅かである.このため、長距離トリップに伴うストレスの計測実験をおこなうとともに、そこで計測されたストレス指標を幹線交通機関選択行動モデルに導入し、ストレス軽減が交通行動に与える影響と社会経済的評価の可能性を検討した. 精神的、肉体的ストレスが生体へ与える負荷量を計測する方法として、自律神経が心拍変動に与える影響を心拍間隔RRIによって測定する方法がある.計測対象は、昨年度が男性1名、今年度が男性2名である.長距離運転として600〜700kmの高速道路走行、短距離運転として300km程度の高速道路運転を複数回実施した.なお、AHS-aの仮想的な走行環境として助手席乗車時の測定も行った。また、異種交通モードとの比較を行うため、幹線パス、新幹線、航空機で移動した際の計測も行った. 心拍にはサーカディアンリズムが存在することから、24時間安静時の心拍変動の計測も複数回おこなった。本研究では、サーカディアンリズムの影響を排除したRRI変化率を提案し、ストレスの変化を分析した.その結果、運転時と助手席乗車時では明確にRRI変化率が異なり、運転時のストレスが高いことが明らかになった.また、走行後4時間程度を超えたあたりから、ストレスが蓄積されていく様子を確認できた.異種モードについても新幹線でストレスが低く、航空機でストレスがかかることを確認できた.このRRI変化率を幹線交通機関選択モデルに導入したところ有意な変数となり、一人あたりの利用者便益を試算することができた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩倉成志: "長距離トリップに伴う運転ストレスの測定-AHSの便益計測を念頭に-"土木計画学研究・論文集. No.18, No.3. 439-444 (2001)
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[Publications] 岩倉成志: "長距離トリップに伴う乗車ストレスに関する研究"土木学会土木計画学研究・講演集. No.23 (1). 543-544 (2000)
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[Publications] 岩倉成志, 西脇正倫: "AHS-a導入による運転ストレス軽減便益の試算"土木学会第56回年次学術講演会概要集第4部. (CD-ROM). (2001)