2000 Fiscal Year Annual Research Report
微量有害物を考慮した河川水質の改善技術に関する研究
Project/Area Number |
12750493
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
神子 直之 茨城大学, 工学部, 助教授 (70251345)
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Keywords | 微量有害物 / 河川水質 / バイオアッセイ / 河川底泥 / リン吸着材 / オゾン処理 |
Research Abstract |
研究計画にある通りの検討を行い、以下の知見を得た。霞ヶ浦および涸沼へ流入する河川水質と底泥を調べ、底泥には毒性物質が存在すること、また、その毒性の強度は数週間程度では減少しないことがわかった。それらの検討の際には、アルテミア(別名ブラインシュリンプ、シーモンキー)を用いた簡易な生物検定法の開発を行った。底泥中の毒性物質の同定には至らなかったが、水田農薬の底泥への投入実験の結果その濃度変化が少なかったことより、農薬に類似した物質が原因であると考えられた。また、河川水の水質変化に関しても、従来の知見通りの炭酸同化作用による有機物指標の悪化が見られ、それが霞ヶ浦流入河川の場合にリン律速であることが確かめられた。水質改善技術に関しては、リン酸およびアンモニア性窒素を水から吸着除去する吸着材を土壌改良材等の安価な材料から選定し、金属の硫酸塩で前処理することによる性能の向上方法を開発、適用し、リン酸除去に関しては十分な吸着性能のある吸着材の開発ができた。実験室における実験で流水式の吸着モデルを開発し、完全混合吸着モデルでその効果の予測ができることが明らかになった。さらに、パイロットプラントによる実河川水を用いた連続実験で、その効果を実証することができた。また、オゾンによる底泥の無機化および毒性除去の実験を行い、それぞれ効果があることがわかった。河川流域の特性把握については十分な検討がなされていないが、農地を上流部に持つ河川底泥の毒性が顕著であったことから、底泥の毒性は農業起因のものであることが示唆された。
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