2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗スポロゾイト蛍光抗体法によるクリプトスポリジウムの生育活性の迅速評価法の開発
Project/Area Number |
12750501
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
森田 重光 麻布大学, 環境保健学部・水環境学研究室, 講師 (50318888)
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Keywords | クリプトスポリジウム / スポロゾイト / フローサイトメトリー / モノクローナル抗体 / 生育活性 |
Research Abstract |
モノクローナル抗体の作製 オーシスト破砕液またはスポロゾイトのホモジェネートで免疫したマウスから脾臓を摘出し,PEG法でハイブリドーマを作製した。スクリーニングELISAにはスポロゾイトのホモジェネート標品(SH)を吸着させたプレートとオーシスト壁標品(OW)を吸着させたプレートを用いた。その結果,スポロゾイト抗体の侯補として7クローンが選択された。これらのクローンからFITC標識抗体を作製し,脱嚢処理したクリプトスポリジウムの染色性を観察したところ,3抗体はスポロゾイトに対する特異性が高かったが,オーシスト壁も若干染色されてしまった。残り4抗体は特異性が認められなかった。 脱嚢法の最適化 タウロコール酸ナトリウムとトリプシン混合溶液(T液)およびデシキシコール酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム混合溶液(D液)を用いてフローサイトメトリーに適する脱嚢法を検討した。その結果,D液は脱嚢したスポロゾイトの消失時間がT液に比べて短いが,フローサイトメーターで計測した場合のバックグラウンドが低かった。また,脱嚢したスポロゾイト数が最大になる培養時間は60分であった。この結果から,D液で60分間培養する脱嚢法が適していると判断した。 測定条件の設定 オーシストに紫外線を照射し,脱嚢率を50%にコントロールした試料と紫外線を照射しなかった試料(脱嚢率100%)を前述の脱嚢法で処理し,スポロゾイト抗体候補で染色してからフローサイトメーターで計測した。その結果,3抗体ともにポリクローナル抗体で染色した場合と差は認められず,スポロゾイトとオーシスト壁の染色性の差を弁別して検出することはできなかった。 しかし,脱嚢後の「オーシスト壁」数に対する「スポロゾイト」数の比は理論比よりも10%程度低くなる傾向が認められたものの,前方散乱光と側方散乱光との座標領域の設定により弁別できることが明らかとなった。
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[Publications] 志村有通, 竹馬大介, 森田重光, 平田強: "塩素のCryptosporidium parvum オーシスト不活化効果とその濃度依存症"日本水道協会雑誌. 796号. 26-33 (2001)
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[Publications] Hirata, T., Shimura, A., Morita, S., Suzuki, M., Motoyama, N.: "The effect of temperature on the efficacy of ozonation for inactivating Cryptosporidium parvum oocysts"Water Science and Technology. 43. 163-166 (2001)
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[Publications] Morita, S., Sigimoto, H., Motoyama, N., Morioka, T., Hirata, T.: "Effects of ultraviolet and gamma radiation on infectivity of Cryptosporidium parvum oocysts"Proceedings of International Congress of IWA, Berlin. (2001)