2000 Fiscal Year Annual Research Report
接合金物を用いた木造軸組工法の耐震性向上に関する実験的研究
Project/Area Number |
12750517
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 真由子 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (10315632)
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Keywords | 木造軸組工法 / 接合金物 / 耐力壁 / 剛構造 / 水平加力試験 |
Research Abstract |
本年度は、在来工法接合金物を用いた水平加力試験を行い、接合部のモーメント抵抗性能等の力学的特性についての予備実験を試みた。 予備実験では、従来の木造軸組工法に基づいた仕口加工と呼ばれる大入れ、ほぞ穴などで柱と胴差し桁などを接合し、帯金物・羽子板ボルトで固定した柱-梁部材の試験体1組と、実際に建築現場で使用されている市販の接合金物を用いた柱-梁部試験体2組の合計3組の試験体をそれぞれ使用する釘の長さ(50mm・90mm)を変えて行った。実験方法としては梁の自由端を油圧ジャッキにより加力し、加力サイクルは正負繰り返しの水平交番載荷とした。この予備実験の詳しい解析は現在作業をすすめている途中であるが、実験から得られた荷重-変形曲線より、市販のボックス型接合金物では、各試験体において釘の長さによる影響は少ない結果となった。接合部の破壊に至る観察からは、梁の金具かかり部分の割裂、剥離や、金具あごかかり部分からの柱割裂がみられた。また在来工法型の試験体でも釘の長さによる違いは見られず、最終加力の状態は、ほぞからの抜け出し、梁のめり込みなどが確認できた。この予備実験において市販のボックス型金物では靭性の面で問題があることが明らかになった。 平成12年度の実験予定では、接合金物のせん断試験・引抜き試験等も行う予定であったが本研究が追加採択ということで、実験にとりかかったのが10月後半であったため、予定よりも実験が遅れている状態である。今後は、予備実験で得られた接合部の破壊状況を考慮しながら、部分的に接合金物の改良を試みそれらの性能比較を行う予定である。
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