2001 Fiscal Year Annual Research Report
製紙工場から排出されるパルプスラッジ焼却灰の建設材料への有効利用に関する研究
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12750523
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
浦野 登志雄 八代工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助教授 (00232918)
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Keywords | 産業廃棄物 / 混和材料 / パルプスラッジ / 強度発現 / 圧縮強度 |
Research Abstract |
本研究は、製紙工場の産業廃棄物であるパルプスラッジ焼却灰(PS灰)をコンクリート混和材料として有効利用することを目的にその基本性状を実験的に調べた。 PS灰を混合したセメントの安定性試験を行なった結果、セメントに対する重量比で置換率30%程度までは長期安定性に問題は認められなかった。凝結試験結果より、PS灰の置換率の増加とともに始発・終結時間が遅れる傾向にあるが、凝結時間はJIS基準値の範囲内であった。また、PS灰の成分分析結果から塩素の含有が認められたが、混和材として用いたコンクリートの塩分総量の測定結果からJASS 5の規制値以内であることが示された。 PS灰を混合した標準砂モルタルの圧縮強さおよび曲げ強さは、無混入モルタルに比べると劣っているが、参考のために実験を行なったフライアッシュ(JISIII種相当)の試験結果と比較すると、同等以上の強度が得られた。また、PS灰の置換率が増加すると強度発現は低下するが、置換率30%以下では、普通ポルトランドセメントと同等以上の圧縮強度が得られた。 PS灰を混合材として用いたコンクリートの圧縮試験結果より、セメントに対してPS灰を内割調合したコンクリートは、普通コンクリートとほぼ同等の圧縮強度が得られた。また、PS灰の大量使用を目的に細骨材の一部として混合した外割調合コンクリートは、水結合材比の減少による材齢初期からの圧縮強度の増加が認められた。 耐久性評価試験としてJCI提案の乾湿繰り返し試験を行なった結果、普通コンクリートで約1割、PS灰コンクリートで約2割程度圧縮強度の低下が見られた。また、乾燥収縮試験の結果、単位水量一定の下では初期材齢および長期材齢における収縮ひずみ量に対して、PS灰混入率の影響は認められなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 浦野登志雄, 下田誠也: "製紙工場から排出するパルプスラッジ焼却灰のコンクリート混和材としての有効利用に関する研究-その1.パルプスラッジ焼却灰混合セメントの強度性状-"日本建築学会九州支部研究報告(構造系). 第40号・1. 125-128 (2001)
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[Publications] 浦野登志雄, 下田誠也: "製紙スラッジ焼却灰のコンクリート混和材料としての有効利用に関する研究-その1.製紙スラッジ焼却灰混合セメントの強度性状-"2001年度日本建築学会学術講演梗概集(材料施工). A-1. 221-222 (2001)
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[Publications] 浦野登志雄, 松本安喜: "パルプスラッジ焼却灰のセメント・コンクリート混和材料への有効性について"日本コンクリート工学協会中国支部「廃棄資源のコンクリート材料への有効利用に関するシンポジウム論文集」. 221-228 (2001)
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[Publications] 浦野登志雄, 下田誠也: "パルプスラッジ焼却灰を混合したセメント・コンクリートの強度性状について"セメント・コンクリート論文集. No.55. 694-700 (2002)
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[Publications] 浦野登志雄, 下田誠也: "製紙工場から排出するパルプスラッジ焼却灰のコンクリート混和材としての有効利用に関する研究-その2.パルプスラッジ焼却灰コンクリートの強度特性-"日本建築学会九州支部研究報告(構造系). 第41号・1. 61-64 (2002)
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[Publications] 浦野登志雄, 松本安喜: "パルプスラッジ焼却灰を混合したセメント・コンクリートの強度性状について"八代工業高等専門学校研究紀要. 第24号. 131-137 (2002)